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マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎の症状・原因・検査・治療を解説|福岡市早良区

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「熱は下がったのに咳が続く」「夜の咳で眠れない」「家族がマイコプラズマ肺炎になり、自分も咳が出てきた」。こうしたときに考える病気の一つが、マイコプラズマ肺炎です。ただし、咳が長引く原因はほかにもあり、症状だけで見分けることはできません。

多くは回復しますが、息苦しさがある場合や、発熱が続く場合は早めの診察が必要です。この記事では、症状と原因、周囲へのうつり方、検査、抗菌薬による治療、仕事に戻る目安を説明します[1][2]。

【この記事の要点】

  • マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマという細菌によって起こり、発熱や長引く咳がみられます。
  • 「熱は下がったのに咳が強い」「夜、咳で眠れない」ときは、周囲の流行や症状の経過も伝えてください。
  • 診断では診察、胸部画像、必要に応じた核酸検査などを組み合わせ、ほかの病気も確認します。
  • 治療には原因菌に合う抗菌薬を使います。咳が残るだけで薬が効いていないとは限らず、経過を見て判断します。

この記事を書いた医師

うらマイハートクリニック院長 浦 祐次郎

(循環器専門医・総合内科専門医・TAVI実施医/指導医・心血管インターベンション治療学会認定医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士)

循環器専門医
院長 浦 祐次郎から一言
▶ 総合内科専門医(院長 浦祐次郎)からの一言 「家族からうつったのかもしれない」「熱が下がったので、もう受診しなくてよい?」と迷うこともあると思います。熱だけでなく、咳で眠れるか、普段どおり動けるかも大切です。症状が始まった日や周囲の感染状況を教えてください。

マイコプラズマ肺炎とは

肺炎マイコプラズマという細菌が原因で起こる肺炎です。若い成人にもみられ、幅広い年齢でかかる病気です。感染した方全員が肺炎になるわけではなく、のどの炎症や気管支炎で済む場合もあります[1][6]。

見た目には比較的元気でも肺炎になっていることがあります。「歩けるから肺炎ではない」とは判断せず、症状の続き方や呼吸の状態に注意しましょう[6]。

症状 初期の発熱と長引く咳が特徴

発熱、だるさ、頭痛、のどの痛みなどで始まり、少し遅れて咳が目立つことがあります。初めは痰の少ない乾いた咳が多いものの、経過中に痰が出る場合もあります。熱が下がった後も、咳が3〜4週間ほど続くことがあります[1][2]。

  • 咳が徐々に強くなり、眠りや会話を妨げる。
  • 熱が下がっても咳だけが残る。
  • 発熱やだるさ、食欲の低下が続く。
  • 息切れ、ゼーゼーする呼吸、胸の痛みを伴うことがある。

熱が高くない場合もあり、咳の出方だけでは風邪や百日咳、喘息などとの区別はできません。「咳止めが効かないからマイコプラズマ」とも限りません。家族や職場に同じような症状の方がいる場合は、受診時に伝えてください[2][6]。

早めに受診したい症状

咳が長引く、日に日に悪化する、発熱が続く、息苦しい、胸が痛む、水分が十分にとれない場合は受診してください。咳が2週間以上続く場合も相談の目安ですが、つらい症状があれば2週間待つ必要はありません[2][6]。

強い息苦しさで会話ができない、唇が紫色、意識がぼんやりする・反応が悪い場合は、救急要請してください[7]。

原因と感染経路 マイコプラズマ肺炎はうつりますか

人から人へうつる感染症です。主に、咳やくしゃみに含まれるしぶきを吸い込むことで感染し、鼻水や痰などがついた手を介して感染することもあります。家庭や職場など、近い距離で長く過ごす場面で広がりやすい感染症です[1][5]。

潜伏期間は通常2〜3週間

感染してから症状が出るまでには、通常2〜3週間かかります。接触した翌日に症状がなくても、感染していないとは言い切れません。家族がかかった場合は、その後の発熱や咳にも気をつけてください[1]。

いつまでうつるのか

症状が出る前から、回復後まで菌が排出されることがあります。「抗菌薬を飲み始めて何日たてば絶対にうつらない」と、一律には判断できません。一方、咳が残っているだけで感染力が強いとも限りません。症状や治療経過を踏まえ、出勤の時期を医師と相談します[2][8]。

家族にうつさないための対策

咳が出るときは、体調に応じて無理なくマスクを着け、咳やくしゃみをティッシュなどで覆いましょう。換気、石けんでの手洗い、タオルの共用を避けることも役立ちます。発熱や激しい咳がある間は、近距離で長く接する機会を減らしてください[1][2]。

予防ワクチンはありません。家族が感染したという理由だけで、症状のない方全員に予防目的の抗菌薬を使うことも通常はありません[5]。

検査 何を調べると分かりますか

診察では、症状が始まった日、周囲の感染状況、使用した薬などを確認します。必要に応じて、肺炎があるかを調べる画像検査と、原因となる菌を調べる検査を組み合わせます[2]。

のどの検体で菌を調べる検査

のどの奥などを綿棒でぬぐい、菌の成分を調べる抗原検査や、菌の遺伝子を増幅して検出する核酸検査を行います。核酸検査は、少量の菌の遺伝子を検出するのに役立ちます[3]。

胸部レントゲンと必要に応じたCT

胸部レントゲンで、肺炎による影があるかを確認します。影の形だけで原因菌を確定することはできません。レントゲンだけでは判断が難しい場合や、病状を詳しく調べる必要がある場合には、CTを検討します [2][9]。

血液検査と抗体検査

白血球数や、炎症の目安となるCRPなどを確認します [2][9]。マイコプラズマに対する抗体を調べる方法もありますが、発症直後には上がっていなかったり、過去の感染後に陽性が残ったりします。1回の抗体検査だけで現在の感染と断定せず、時期をあけて再検査する場合があります[3]。

治療 抗生剤は何を使いますか

肺炎マイコプラズマによる軽い感染症は自然に回復することもありますが、肺炎では一般に抗菌薬を用います。必要性や薬の種類は、症状、検査結果、年齢、妊娠の有無、持病や併用薬などを考慮して判断します[2][4]。

原因菌に合う抗菌薬を選ぶ

この菌には通常の細菌と異なり細胞壁がないため、細胞壁に作用するペニシリン系やセフェム系の抗菌薬は効きません。成人ではマクロライド系やテトラサイクリン系などから選び、状況に応じてニューキノロン系を検討します。成人のマクロライド耐性菌による肺炎では、テトラサイクリン系が推奨されます[2][4][9]。

成人に使う主な飲み薬と用量・用法

外来治療の第一選択としてマクロライド系またはミノサイクリンを挙げています。マクロライド耐性菌による肺炎ではミノサイクリンなどのテトラサイクリン系を優先し、レボフロキサシンなどのキノロン系は第二選択とします[2][9]。

以下は成人の代表的な内服薬です。医師が病状に合う薬を選びます[9][10][11][12][13]。

薬剤名・分類 成人の通常の用量・用法 治療での位置づけ
アジスロマイシン
(マクロライド系)
1回500mgを1日1回、3日間服用(合計1,500mg)[10] 第一選択の一つ
クラリスロマイシン
(マクロライド系)
1回200mgを1日2回服用(1日400mg)[11] 第一選択の一つ
ミノサイクリン
(テトラサイクリン系)
初回100〜200mg、その後は1回100mgを12時間ごと、または24時間ごとに服用[12] 第一選択の一つ。マクロライド耐性菌の場合に推奨
レボフロキサシン
(キノロン系)
1回500mgを1日1回服用。腎機能が低下している場合は量や間隔を調整[13] 第二選択

アジスロマイシンの上記用法は、飲み薬だけで治療する場合のものです。点滴から切り替える場合は異なります。ほかの薬の服用日数は、病状と治療への反応に応じて医師が決めます。咳が残っているからといって、自己判断で追加・延長しないでください[10][11][12][13]。

腎臓や肝臓の病気、妊娠・授乳、併用薬によって、使える薬や量が異なります。特にレボフロキサシンは妊娠中には使用できません。お薬手帳を持参し、サプリメントも含めて使用中のものを伝えてください[10][11][12][13]。

ミノサイクリンは多めの水で飲み、就寝直前の服用を避けます。めまいが出ることがあるため、服用中は運転や危険を伴う機械の操作を控えてください。鉄剤や一部の胃薬などとは服用間隔をあける必要があるため、医師・薬剤師の指示に従ってください[12]。

治療を始めて2〜3日たっても熱が下がらないとき

マクロライド系が効きにくい「耐性菌」があり、その割合は地域や時期によって変わります。以前に使った抗菌薬と、その効果も薬を選ぶ際の参考になります[2]。

抗菌薬を始めて2〜3日たっても熱が下がらない、症状が改善しない場合は再受診してください。耐性菌だけでなく、ほかの感染症や合併症も確認します。息苦しさが増すなど悪化した場合は、2〜3日を待たずに連絡してください[2]。

一方、熱が下がって全身状態がよくなっていても、気道の炎症のため咳がしばらく残ることがあります。咳だけを理由に、抗菌薬を自己判断で追加・延長しないでください[1][4]。

循環器専門医
院長 浦 祐次郎から一言
▶ 総合内科専門医(院長 浦祐次郎)からの一言 「抗菌薬を飲んだのに、まだ咳が出る」と不安なときは、熱や息苦しさがどう変わったかも確認します。咳が残る期間には個人差がありますが、息苦しさが増す、再び発熱する場合は、薬を飲み終えるまで待たずにご相談ください。

咳や発熱への対処と薬の注意点

症状に応じて、咳を和らげる薬や解熱鎮痛薬などを使います。市販薬と処方薬で成分が重複する場合もあるため、使用中の薬は医師や薬剤師に伝えましょう。

抗菌薬は、処方された量と期間を守り、自己判断で中止・延長したり、残った薬を家族と分けたりしないでください。発疹や強い下痢などが出た場合は相談し、息苦しさや顔・唇の腫れなど強いアレルギー症状があれば、直ちに医療機関を受診してください[4][7]。

ウイルスによる風邪には抗菌薬は効きません。不要な使用は副作用や耐性菌の問題につながるため、咳があるという理由だけで使う薬ではありません[4]。

よくある質問

Q治りますか 一生薬を飲む必要はありますか

A

多くは回復し、この感染症のために一生薬を続ける必要は通常ありません。ただし、熱やだるさが改善しても咳が残る場合があります。咳が改善しない、再び熱が出る、息苦しさが増す場合は、再度診察を受けてください[1][6]。

Q仕事はいつから再開できますか

A

一律に「解熱後3日」と決めることはできません。発熱や激しい咳が改善し、無理なく仕事ができる体調に戻っているかを目安に、医師と相談してください。仕事内容や職場の規定も確認し、復帰後も咳エチケットを続けましょう[2]。

Q運動はしてもよいですか

A

発熱や強い咳、息苦しさがある間は、運動を控えて休養しましょう。熱が下がって食事や日常生活が無理なくできるようになったら、体調をみて少しずつ戻します。胸痛、動悸、普段と違う息切れがある場合は運動を中止し、医師に相談してください。肺炎が強かった方は、運動再開の時期を診察で確認しましょう[2][6]。

Q食事で気をつけることはありますか

A

特定の食品で治る病気ではありません。食欲に合わせて食べやすいものを少量ずつとり、水分不足を防ぎましょう。飲み物もとれない、尿が極端に少ない場合は受診してください。心不全や腎臓病などで水分制限の指示がある方は、補給量を医師に相談してください。

Q家族に患者がいると遺伝しますか

A

遺伝する病気ではありません。家族内で続けて発症する場合は、近い距離で生活することによる感染が考えられます。感染しても一生続く免疫は得られず、再びかかることがあります[5][8]。

Q検査は痛いですか 入院は必要ですか

A

のどを綿棒でぬぐう検査では、短時間の刺激や吐き気を感じることがあります。血液検査では採血の痛みがあります。エックス線や通常の胸部CTは、撮影自体に痛みはありません。多くは外来で治療できますが、酸素不足、脱水、重い合併症などがあれば入院が必要です[6][9]。

Qどの症状なら救急車を呼ぶべきですか

A

強い息苦しさで会話ができない、唇が紫色、意識がおかしい・反応が悪い場合は救急要請してください。症状が急に悪化したときは、マイコプラズマ肺炎だけが原因とは限らないため、早急な評価が必要です[7]。

長引く咳や息苦しさはご相談ください

うらマイハートクリニックでは、咳や発熱、息苦しさについて、症状の経過と検査結果を合わせて診療します。院長は総合内科専門医・循環器専門医として、肺の感染症に加え、心不全などの可能性も考えて診察します。必要に応じて64列CTなどの画像検査を行い、入院や専門的な治療が必要な場合は連携医療機関へご紹介します。

発熱や感染症が疑われる症状がある場合は、来院前にご連絡ください。専用の入口や隔離室を使用するなど、院内感染対策を行って診療します。

福岡市でマイコプラズマ肺炎の診療なら|うらマイハートクリニックの特徴

うらマイハートクリニック(福岡市早良区藤崎・原)は、内科・循環器内科・腎臓内科・呼吸器内科を診療し、心臓リハビリテーションにも対応するクリニックです。

院長(浦 祐次郎)は、循環器専門医・総合内科専門医・心血管インターベンション治療学会認定医・TAVI実施医/指導医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士として、九州医療センターで13年間、小倉記念病院で1年半にわたり、重症心疾患の診療に従事してきました。副院長の浦 雅紀子は腎臓内科医として、福岡山王病院で約5年間、九州医療センターで6年間にわたり、心腎連関を踏まえた包括的な腎臓病診療に従事してきました。

現在はうらマイハートクリニックにて内科医2名体制で円滑な診療に努めています。

  • 院内での迅速な検査体制:BNPなど含む当日結果のわかる多様な血液検査、心臓を含む各種エコー検査、総合病院レベルの64列CT(冠動脈CT含む)に対応。
  • 治療後のサポート:心臓リハビリ施設「ReHeart Gym」で専門スタッフが体力回復・再発予防を支援。
  • 通いやすい診療体制:診療開始は8時30分から、水曜は20時まで診療。駐車場11台完備。発熱症状のある方の専用入口あり。

発熱や長引く咳がある方、周囲でマイコプラズマ感染症が流行していて症状が気になる方は、福岡市早良区のうらマイハートクリニックまでお気軽にご相談ください。

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当院の専門外来では最適な治療プランをご提案しております。

参考文献

[1] 厚生労働省. マイコプラズマ肺炎.
[2] 日本呼吸器学会・日本感染症学会・日本化学療法学会・日本環境感染学会・日本マイコプラズマ学会. マイコプラズマ感染症(マイコプラズマ肺炎)急増にあたり、その対策について. 2024年10月(厚生労働省周知資料).
[3] Centers for Disease Control and Prevention. Laboratory Testing for Mycoplasma pneumoniae.
[4] Centers for Disease Control and Prevention. Clinical Care of Mycoplasma pneumoniae Infection.
[5] Centers for Disease Control and Prevention. Mycoplasma pneumoniae Infection: Causes and How It Spreads.
[6] Centers for Disease Control and Prevention. About Mycoplasma pneumoniae Infection.
[7] 総務省消防庁. 救急車利用リーフレット 成人版.
[8] 国立健康危機管理研究機構. マイコプラズマ肺炎 詳細版(感染経路・再感染に関する記述を参照).
[9] 日本呼吸器学会 成人肺炎診療ガイドライン2024作成委員会 編. 成人肺炎診療ガイドライン2024. メディカルレビュー社, 2024.
[10] 沢井製薬. アジスロマイシン錠250mg「サワイ」電子添文(用法及び用量等).
[11] 沢井製薬. クラリスロマイシン錠200mg「サワイ」電子添文(用法及び用量等).
[12] ファイザー. ミノマイシンカプセル50mg・100mg 電子添文(用法及び用量等).
[13] 日本ケミファ. レボフロキサシン錠250mg・500mg「ケミファ」電子添文(用法及び用量等).

浦 祐次郎

この記事の監修者:
うらマイハートクリニック院長 
浦 祐次郎

循環器専門医・総合内科専門医・TAVI実施医/指導医・心血管インターベンション治療学会認定医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士

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