帯状疱疹の症状・原因・検査・治療|福岡市早良区
はじめに:その痛み、帯状疱疹かも?
体の片側に原因不明のチクチク、ピリピリとした痛みを感じていませんか?それは「帯状疱疹」のサインかもしれません。帯状疱疹は、多くの人が子供の頃にかかる水ぼうそうのウイルスが原因で発症する病気です。この記事では、帯状疱疹の初期症状、原因、検査、治療と受診の目安について解説します。発疹が出る前に痛みだけが続くこともあるため、皮膚の変化にも気をつけてください。
【この記事の要点】
- 帯状疱疹は、体内に潜んでいた水ぼうそうのウイルスが再び活動し、体の片側に痛みや発疹、水ぶくれが出る病気です。
- 発疹より先に、ピリピリする痛みや皮膚の違和感が出ることがあります。片側の痛みに発疹が現れたら、早めに受診してください。
- 顔、目、耳の周囲の発疹や、見えにくさ、顔の動かしにくさがある場合は急いで受診しましょう。意識の変化や強い息苦しさがある場合は救急要請してください。
- 抗ウイルス薬と痛みの治療を行います。皮膚が治った後に痛みが残る場合もあります。発症や帯状疱疹後神経痛の予防には、ワクチンを検討します。
この記事を書いた医師
うらマイハートクリニック院長 浦 祐次郎
(循環器専門医・総合内科専門医・TAVI実施医/指導医・心血管インターベンション治療学会認定医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士)
循環器専門医院長 浦 祐次郎から一言「肩こりだと思っていたら、片側だけに赤いぶつぶつが出てきました」。帯状疱疹は、発疹が出る前に痛みが始まることがあります。いつから痛むのか、どこに発疹が出たかを教えてください。痛みと発疹が同じ側にある場合は、早めに受診しましょう。顔や目の周りの症状は、特に急いで受診してください。
帯状疱疹の症状は3ステップで進行する
帯状疱疹の症状は、特徴的な経過をたどります。
ステップ1:前駆痛(ぜんくつう) – 発疹前の痛み
発疹が現れる数日前から1週間ほど前に、体の左右どちらか一方の神経に沿って、ピリピリ、チクチク、ズキズキといった神経痛のような痛みやかゆみが生じます。この段階では皮膚に異常が見られないため、「筋肉痛かな?」「何かにかぶれたかな?」と見過ごされがちです[1]。
ステップ2:急性期 – 発疹と水ぶくれ
痛みが始まったのと同じ場所に、帯状に赤い発疹(紅斑)が出現し、その後、中央がくぼんだ特徴的な小さな水ぶくれ(水疱)が多発します。水ぶくれは膿を持つようになり、この時期に痛みが最も強くなる傾向があります[1]。
ステップ3:回復期 – かさぶたへ
水ぶくれは約1週間で破れてただれた状態(びらん)になり、2週間ほどで乾燥してかさぶた(痂皮)となります。通常、発症から約3〜4週間でかさぶたが脱落して治癒しますが、色素沈着や傷あとが残ることもあります[1]。
これって帯状疱疹?受診を急ぐべき症状とタイミング
帯状疱疹は早めの受診が大切です。抗ウイルス薬は、発疹が出てから72時間(3日)以内に始めると、皮膚の治りを早め、急性期の痛みを和らげる効果が期待できます。ただし、治療をしても「帯状疱疹後神経痛(PHN)」が残ることはあります。3日を過ぎても治療が必要な場合があるため、「もう遅い」と考えずに受診してください[1],[2]。
こんな症状が出たら、すぐに受診を!
- 体の片側に原因不明の痛み、かゆみ、違和感がある
- 痛む場所に赤い発疹や水ぶくれが出てきた
- 特に顔、目、耳の周りに症状が出た場合(視力障害、顔面神経麻痺、難聴などを引き起こす危険なサインです。すぐに眼科や耳鼻咽喉科、皮膚科を受診してください)[1]
「ただの疲れや筋肉痛だと思っていた」という方もいます。片側の痛みが続き、赤い発疹や水ぶくれが出てきたら、早めに皮膚科や内科を受診しましょう。
胸やあばらに沿う痛みの原因については、肋間神経痛のコラムで詳しく説明しています。
帯状疱疹の検査はどのように行いますか?
典型的な帯状疱疹は、発疹の出方や痛みの経過を診察して判断します。診断がはっきりしない場合は、水ぶくれの内容物を採取する迅速検査などを行うことがあります。病変に触れるため、痛みを感じることもあります。全員に採血やCTが必要なわけではありません[1]。
帯状疱疹は他人事ではない?日本人の3人に1人が発症
帯状疱疹は身近な病気で、80歳までに約3人に1人が発症すると推定されています。特に50歳代から発症率が高くなり、70歳代で発症する方が最も多くなっています。若い世代でも発症するため、高齢者だけの病気ではありません[1]。
帯状疱疹の直接的な原因は「潜伏ウイルスの再活性化」
帯状疱疹を引き起こすのは、「水痘・帯状疱疹ウイルス」です。一度水痘(みずぼうそう)にかかると、ウイルスは症状が治った後も体内の神経節(神経の根元部分)に生涯にわたって潜伏します。普段は体の免疫力によってウイルスの活動は抑えられていますが、加齢、過労、ストレス、がん治療などで免疫力が低下すると、ウイルスが再び増殖を始め、神経を伝って皮膚に到達し、帯状疱疹として発症するのです[1]。
帯状疱疹の最新治療法:抗ウイルス薬と痛みのコントロール
現在の帯状疱疹治療は、原因であるウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬」と、つらい痛みを和らげる「鎮痛薬」の2本柱で行います。
1. 抗ウイルス薬
治療の基本となる薬で、ウイルスの増殖を抑えます。バラシクロビル、ファムシクロビル、アメナメビルなどの内服薬があり、患者さんの腎臓の機能や一緒に飲んでいる薬を確認して選びます。例えば、腎機能に問題のない成人では、バラシクロビルを1回1,000mg、1日3回、通常7日間服用します。アメナメビルは1回400mg、1日1回食後に、原則7日間服用します。腎機能が低下している方では、バラシクロビルなどの量や間隔の調整が必要です。症状が全身に広がる場合や合併症がある場合には、入院して点滴治療を行うこともあります[1],[3],[4]。
2. 鎮痛薬
急性期の痛みにはアセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使います。焼けるような痛みや、軽く触れるだけでも痛む症状がある場合には、プレガバリンやミロガバリンなど、神経の痛みを和らげる薬を検討します。薬の量と服用期間は痛みの程度や腎臓の機能に合わせて調整します。プレガバリンなどでは眠気、ふらつき、むくみが出ることがあり、自己判断で急にやめず、処方医に相談してください[1],[5]。
心臓病や腎臓病がある方の薬の選び方
当院では、心臓病や腎臓病をお持ちの患者さんには、持病と服用中の薬を確認して治療を選びます。腎機能が低下している方でも、アメナメビルは腎機能に応じた減量が不要ですが、飲み合わせへの注意が必要です。NSAIDsは腎機能を悪化させたり、心不全に影響したりすることがあるため、使用の可否や期間を慎重に判断します[1],[4]。
鎮痛薬などと腎臓への影響については、薬剤性腎障害のコラムをご覧ください。
循環器専門医院長 浦 祐次郎から一言「発疹は治ったのに、服が触れるだけで痛くて眠れません」。皮膚が治った後も神経の痛みが残ることがあります。「このくらいは我慢しないと」と思わず、眠れない、着替えがつらいなど、生活で困っていることを教えてください。痛みの様子と、腎機能やほかの薬を確認しながら治療を調整します。
帯状疱疹ワクチンの種類と定期接種
帯状疱疹ワクチンは、発症や帯状疱疹後神経痛を予防するためのものです。日本では生ワクチンと組換えワクチンの2種類があり、2025年度から、年度内に65歳になる方などを対象とした定期接種が始まりました。2029年度までは、その年度内に70、75、80、85、90、95、100歳になる方も経過措置の対象です。60~64歳でHIVによる免疫機能の重い障害がある方も対象になります。定期接種の対象外でも、50歳以上の方などは任意接種を検討できます。組換えワクチンは、帯状疱疹の発症リスクが高い18歳以上の方にも使用できます[6],[7]。
| ワクチンの種類 | 主な商品名® | 接種回数 | 発症予防効果(接種後1年) | 後遺症(PHN)予防効果(接種後3年) |
|---|---|---|---|---|
| 乾燥弱毒生水痘ワクチン(生ワクチン) | ビケン® | 1回 | 6割程度 | 6割程度 |
| 乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(組換えワクチン) | シングリックス® | 2回 | 9割以上 | 9割以上 |
組換えワクチンは通常2か月の間隔をあけて2回接種します。病気や治療で免疫機能が低下している方も接種を検討できますが、接種の時期は主治医と相談してください。生ワクチンは1回接種で、免疫機能が低下している方には使用できません。どちらも注射した部分の痛みなどが起こることがあり、組換えワクチンでは発熱やだるさを伴うこともあります。費用や対象年齢は、お住まいの自治体の案内をご確認ください。福岡市の定期接種の対象や自己負担額は、福岡市の案内で確認できます[6],[7],[8]。
帯状疱疹のよくある質問
A
皮膚の症状は通常3~4週間ほどで治まります。抗ウイルス薬を一生飲み続ける必要はありません。ただし、皮膚が治った後も痛みが残ることがあり、その場合は痛みの治療を続けます[1]。
A
発熱や強い痛みがある間は、運動より休息を優先してください。体調が戻ってきたら無理のない範囲で日常の活動に戻します。特定の食品で帯状疱疹が治るわけではありません。食事と睡眠をとり、心臓病や腎臓病で食事制限がある方は普段の指示を守りましょう。
A
多くは外来で治療しますが、発疹が全身に広がる場合や、免疫機能が低下している場合、目や神経などに合併症がある場合には、専門科での治療や入院が必要になることがあります[1]。
福岡市で帯状疱疹の診療なら|うらマイハートクリニックの特徴
うらマイハートクリニック(福岡市早良区藤崎・原)は、内科・循環器内科・腎臓内科・呼吸器内科を診療するクリニックです。
院長(浦 祐次郎)は、循環器専門医・総合内科専門医・心血管インターベンション治療学会認定医・TAVI実施医/指導医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士として、九州医療センターで13年間、小倉記念病院で1年半にわたり、重症心疾患の診療に従事してきました。副院長の浦 雅紀子は腎臓内科医として、福岡山王病院で約5年間、九州医療センターで6年間にわたり、心腎連関を踏まえた包括的な腎臓病診療に従事してきました。
現在はうらマイハートクリニックにて内科医2名体制で円滑な診療に努めています。
- 院内の検査体制:BNPなど、当日結果がわかる血液検査、心臓エコー検査を含む各種エコー検査、CT検査(冠動脈CTを含む)に対応。
- 通いやすい診療体制:診療開始は8時30分から、水曜は20時まで診療。駐車場11台完備。発熱症状のある方の専用入口あり。
体の片側の痛みや発疹が気になる方、帯状疱疹後の痛みや予防接種について相談したい方は、福岡市早良区のうらマイハートクリニックまでお気軽にご相談ください。
この症状でお悩みですか?
当院の専門外来では最適な治療プランをご提案しております。
参考文献
[1] 帯状疱疹診療ガイドライン策定委員会. 帯状疱疹診療ガイドライン2025. 日本皮膚科学会雑誌. 2025;135(3):527-556. 原文
[3] 医薬品医療機器総合機構(PMDA). バルトレックス錠500. 原文
[4] 医薬品医療機器総合機構(PMDA). アメナリーフ錠200mg. 原文
[5] 医薬品医療機器総合機構(PMDA). リリカカプセル/リリカOD錠. 原文
[7] 医薬品医療機器総合機構(PMDA). シングリックス筋注用. 原文