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敗血症

敗血症の症状・原因・検査・治療|福岡市早良区

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この記事では、敗血症の初期症状や原因、受診の目安を分かりやすく解説します。敗血症は、感染症に対する体の反応がうまく調節できなくなり、肺や腎臓、心臓などの働きが損なわれる状態です。進行が早く、命に関わることも少なくありません。特に高齢の方や心臓・腎臓に持病をお持ちの方は注意が必要です。「熱があるだけだと思ったのに、会話がかみ合わない」「息が荒く、立っていられない」といった変化は、急いで対応する必要があります。強い息苦しさや意識の変化がある場合は、通常の外来受診を待たず、救急要請してください[1],[2]。

【この記事の要点】

  • 敗血症は、感染症に対する体の反応の調節が乱れ、命に関わる臓器の障害が起こる状態です。肺炎や尿路感染症などが原因になります。
  • 感染症の最中に、急にぐったりする、呼吸が速い、尿が減るなどの変化があれば、早急な受診が必要です。高熱が出ない場合もあります。
  • 呼びかけへの反応が鈍い、強い息苦しさがある、冷汗が出て立てない場合は救急要請してください。症状がいくつもそろうまで待つ必要はありません。
  • 敗血症は病院で迅速に治療する必要があります。抗菌薬、点滴、感染源の処置などを組み合わせ、臓器の働きを支えます。

この記事を書いた医師

うらマイハートクリニック院長 浦 祐次郎

(循環器専門医・総合内科専門医・TAVI実施医/指導医・心血管インターベンション治療学会認定医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士)

循環器専門医
院長 浦 祐次郎から一言
「熱は高くないのに、家族の受け答えがいつもと違います」。感染症のときは、熱の高さだけでなく、呼びかけに普段どおり答えられるか、息が苦しくないかにも注意してください。反応が鈍い、息が苦しくて話せない、立てないほどぐったりしている場合は、診療時間まで待たずに救急要請してください。

敗血症とは?〜放置すると命に関わる危険な状態〜

敗血症とは、「感染症に対する体の反応がコントロールできなくなり、生命を脅かすほどの臓器障害が引き起こされる状態」を指します。肺炎や尿路感染症などをきっかけに、体を守る反応の調節が乱れ、肺や腎臓、心臓といった重要な臓器がダメージを受けてしまいます。血液中に細菌がいる「菌血症」とは異なり、血液から細菌が見つからなくても敗血症になることがあります[1],[3]。

特に、心臓や腎臓に持病のある方は、敗血症によって心機能や腎機能が急激に悪化するおそれがあり、より一層の注意が必要です。早期に気づき、適切な治療を開始することが何よりも重要です[1],[2]。

これって敗血症?知っておきたい初期症状と危険なサイン

敗血症では、元の感染症の症状に加えて、意識や呼吸、血圧、尿の量などに変化が現れます。進行が早いため、初期のサインを見逃さないことが大切です。ご高齢の方では高熱が出ないこともあります。下の表の症状が順番に現れるとは限らず、急に状態が悪くなる場合もあります[1],[2]。

状態 主な症状・兆候
感染症でみられる症状 ・発熱、または低体温 ・悪寒、体がガタガタ震える ・脈が速い ・呼吸が速い ・ぐったりして元気がない、強い倦怠感 ・(高齢者の場合)食欲がない、なんとなく元気がない[2]
臓器の働きが損なわれている可能性がある症状 上記に加え、 ・意識がおかしい(混乱する、呼びかけへの反応が鈍い) ・呼吸が苦しい、息が荒い ・血圧が下がってくる ・尿の量が極端に減る、または半日以上出ていない[1],[2]
敗血症性ショックなどの重い状態でみられる症状 ・血圧が極端に低く、呼びかけても意識がほとんどない ・手足が冷たく、まだら模様になったり、紫色になったりする ・尿が全く出なくなる[1],[2]

急いで対応したい意識・呼吸・血圧の変化

「いつもと様子が違うけれど、救急車を呼ぶべきか迷う…」というときは、意識や呼吸の変化に注意してください。医療現場では、次の3項目を組み合わせたqSOFA(クイック・ソファ)を、重い経過をたどるおそれがある患者さんを見つける手がかりの一つに使います。ただし、敗血症の診断基準ではなく、当てはまる項目が少なくても敗血症を否定できません[1],[4]。

  • 意識の変化がある(呼びかけへの反応が鈍い、興奮しているなど)
  • 呼吸の回数が1分間に22回以上と速い
  • 収縮期血圧(上の血圧)が100mmHg以下

特にご高齢の方では、典型的な高熱が出ないことも少なくありません。「呼びかけへの反応が鈍い」「息が苦しくて会話が続かない」「立てないほどぐったりしている」といった場合は、項目の数を数えたり、血圧を測り終えたりするのを待たず、救急要請してください。尿が極端に減った、いつもと様子が違うという場合も、速やかに医療機関へ相談してください[1],[2],[4]。

なぜ敗血症になるの?主な原因と危険因子

原因となる感染症

敗血症は、さまざまな感染症が引き金となります。特に多いのは以下の3つです[1]。

感染の場所 具体的な病名
呼吸器 肺炎
尿路 腎盂腎炎
お腹の中 胆管炎、腹膜炎

その他、皮膚の傷口からの感染(蜂窩織炎など)や、お体の状態によって留置されているカテーテルが原因となることもあります[1]。

尿路感染症と皮膚の感染症については、膀胱炎・腎盂腎炎・蜂窩織炎のコラムで詳しく説明しています。

敗血症になりやすい方(危険因子)

以下のような方は、感染症が重症化しやすく、敗血症を発症するリスクが高いとされています[2]。

  • ご高齢の方、乳幼児
  • 糖尿病、心不全、腎不全、肝硬変などの慢性疾患をお持ちの方
  • 抗がん剤治療中やステロイドを長期内服されている方
  • 大きな手術の後や、長期入院中の方

敗血症の診断と治療法

敗血症が疑われる場合、迅速な診断と治療開始が回復の見通しを大きく左右します。診断は、診察、血液検査、尿検査、必要な画像検査(CTなど)を組み合わせ、感染の場所と臓器障害の程度を評価して行います。血液などの培養検査で原因となる微生物を調べますが、結果を待って治療を遅らせることはありません[1],[4]。

敗血症は、入院して治療する必要がある救急疾患です。状態に応じて、集中治療室などで呼吸・血圧・尿量を継続的に確認します。治療の3本柱は以下の通りです[1],[4]。

  • 原因となっている感染症に対する抗菌薬(抗生物質)の点滴投与。感染した場所や疑われる菌、腎機能などに応じて薬と量を選び、培養検査の結果を見ながら必要な薬に絞ります。治療期間は感染の種類や回復状況で異なり、一律には決められません[1],[4]。
  • 下がった血圧を維持し、全身の臓器に血液を送り届けるための輸液(点滴)や、血圧を上げる昇圧薬。心臓や腎臓の状態、点滴後の反応を確認しながら調整します[1],[4]。
  • 膿が溜まっている場合は、それを外に出す処置。胆管や尿路が詰まって感染している場合は、詰まりを解除する治療が必要になることもあります[1],[4]。

重症化すると、人工呼吸器による呼吸サポートや、腎臓の働きを補う透析が必要になることもあります。また、敗血症から回復した後も、筋力低下、記憶や集中力の低下、不安や気分の落ち込みなどが残ることがあります。こうした集中治療後症候群(PICS)に対しては、体の状態を見ながらリハビリテーションや生活への復帰を支援します[1],[4]。

重い感染症に伴って腎臓の働きが急に低下する場合については、急性腎障害のコラムをご覧ください。

循環器専門医
院長 浦 祐次郎から一言
「退院できたのに、家の中を歩くだけで疲れてしまいます」。重い感染症の後は、体力や集中力が戻るまで時間がかかることがあります。家での動作が難しい、食欲が戻らないなど、気になる変化があれば担当医に伝えてください。回復のペースに合わせて、日常の活動を少しずつ増やしていきましょう。

敗血症にならないためにできること

感染症の予防と早めの対応、持病の管理が、敗血症のリスクを減らすために大切です[2]。

  • 手洗いと傷の手入れ:食事の前や外出後は手を洗い、傷ができたら流水で汚れを落として清潔に保ちましょう[2]。
  • ワクチン接種:肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンなど、予防接種を適切に受けることは、重症化しやすい肺炎の予防に繋がり、結果として敗血症のリスクを減らします[2]。
  • 持病の管理:糖尿病や心臓病、腎臓病などの基礎疾患を、かかりつけ医のもとで管理する[2]。
  • 早めの相談:感染症や傷の症状が長引く、赤みや腫れが広がる、熱とともに強いだるさがある場合には、早めに医療機関を受診する[2]。

敗血症についてよくあるご質問

Q敗血症は治りますか。一生薬が必要ですか?

A

適切な治療で回復する方は多くいらっしゃいます。ただし、感染の場所や臓器への影響によって治療期間や回復までの時間は異なります。敗血症になっただけで一生抗菌薬が必要になるわけではありませんが、筋力や腎機能などの回復を継続して確認することがあります[1],[4]。

Q検査は痛いですか。入院が必要ですか?

A

採血には針を刺す痛みがあります。CTなどの画像検査そのものに痛みはありませんが、検査内容によって点滴や造影剤を使う場合があります。敗血症が疑われる状態では、通常、入院して検査と治療を進めます[1]。

Q回復後は運動してよいですか?

A

入院中から体の状態に合わせてリハビリテーションを始めることがあります。退院後も、以前と同じ運動を急に再開せず、歩行や身の回りの動作から段階的に戻していきます。息切れや強い疲れが続く場合は、担当医に相談してください[1],[4]。

Q食事で気をつけることはありますか?

A

回復のために十分な栄養が必要ですが、食欲低下や飲み込みにくさが残ることがあります。食事量が減っている場合は無理をせず相談してください。心不全や腎臓病がある方は、塩分・水分・たんぱく質について、それぞれの病状に合った指示を確認しましょう[1],[4]。

Qどのような症状なら救急要請が必要ですか?

A

感染症が疑われるときに、呼びかけへの反応が鈍い、強い息苦しさがある、立てないほどぐったりしている場合は、救急要請してください。高熱がなくても重い状態のことがあります。血圧の測定や、複数の症状がそろうのを待つ必要はありません[1],[2],[4]。

福岡市で感染症と回復後の体調不良の診療なら|うらマイハートクリニックの特徴

うらマイハートクリニック(福岡市早良区藤崎・原)は、内科・循環器内科・腎臓内科・呼吸器内科を診療するクリニックです。

院長(浦 祐次郎)は、循環器専門医・総合内科専門医・心血管インターベンション治療学会認定医・TAVI実施医/指導医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士として、九州医療センターで13年間、小倉記念病院で1年半にわたり、重症心疾患の診療に従事してきました。副院長の浦 雅紀子は腎臓内科医として、福岡山王病院で約5年間、九州医療センターで6年間にわたり、心腎連関を踏まえた包括的な腎臓病診療に従事してきました。

現在はうらマイハートクリニックにて内科医2名体制で円滑な診療に努めています。

  • 院内の検査体制:BNPなど、当日結果がわかる血液検査、心臓エコー検査を含む各種エコー検査、CT検査(冠動脈CTを含む)に対応。
  • 通いやすい診療体制:診療開始は8時30分から、水曜は20時まで診療。駐車場11台完備。発熱症状のある方の専用入口あり。

感染症から回復後も体力の低下が続く方、持病の管理や感染症予防について相談したい方は、福岡市早良区のうらマイハートクリニックまでお気軽にご相談ください。

この症状でお悩みですか?

当院の専門外来では最適な治療プランをご提案しております。

参考文献

[1] 日本集中治療医学会・日本救急医学会. 日本版敗血症診療ガイドライン2024(J-SSCG2024). 日本集中治療医学会雑誌. 2024;31(Supplement 2):S1165-S1313. 原文

[2] World Health Organization. Sepsis. 原文

[3] Singer M, et al. The Third International Consensus Definitions for Sepsis and Septic Shock (Sepsis-3). JAMA. 2016;315(8):801-810. doi:10.1001/jama.2016.0287. 原文

[4] Society of Critical Care Medicine・European Society of Intensive Care Medicine. Surviving Sepsis Campaign: International Guidelines for Management of Sepsis and Septic Shock 2026. 原文

浦 祐次郎

この記事の監修者:
うらマイハートクリニック院長 
浦 祐次郎

循環器専門医・総合内科専門医・TAVI実施医/指導医・心血管インターベンション治療学会認定医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士

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