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肝機能障害

肝機能障害の症状・原因・検査・治療|福岡市早良区

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健康診断で「肝機能の数値が高い」と言われても、体調に変わりがなく、受診を迷う方もいると思います。肝機能の異常は、脂肪肝や飲酒、肝炎ウイルス、薬など、さまざまな原因で起こります。症状がない場合もあるため、まずは何が原因かを確認することが大切です。この記事では、症状や原因、受診の目安、検査・治療、生活で気をつけたいことを解説します[1]。

【この記事の要点】

  • 肝機能障害は、脂肪肝、飲酒、肝炎ウイルス、薬など、さまざまな原因で起こります。血液検査の異常から見つかることが多い状態です。
  • 症状がなくても、健診でAST、ALT、γ-GTPの異常を指摘されたら、原因と肝臓の状態を確認しましょう。
  • 白目や皮膚が黄色い場合は早めの受診が必要です。意識の変化、吐血、黒い便に冷汗やふらつきを伴う場合は救急要請してください。
  • 血液検査や腹部エコーなどで調べ、原因に応じた治療を行います。肝機能の数値を下げるだけでなく、病気の進行度を確認することが大切です。

この記事を書いた医師

うらマイハートクリニック院長 浦 祐次郎

(循環器専門医・総合内科専門医・TAVI実施医/指導医・心血管インターベンション治療学会認定医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士)

循環器専門医
院長 浦 祐次郎から一言
「去年も数値が高かったけれど、体調は変わりません」。肝臓の病気は、症状がないまま進むことがあります。前回の健診結果と比べ、数値が続けて高いのか、変化しているのかを確認しましょう。飲んでいる薬やサプリメントも、原因を考える手がかりになります。

肝機能障害とは?自覚症状がない「沈黙の臓器」の警告

肝機能障害とは、何らかの原因で肝臓に異常が生じた状態を指します。初期はほとんど症状が出ないため、多くは健康診断の血液検査でAST(GOT)やALT(GPT)、γ-GTPといった数値の上昇をきっかけに発見されます。ただし、これらの数値が高いだけで、肝臓の働きそのものが低下しているとは限りません。肝臓のダメージと、栄養の合成や解毒などの働きは、複数の検査で分けて確認します。

症状がないからと放置せず、異常を指摘されたら原因を調べることが大切です[1],[2]。

こんな症状は要注意!肝機能障害が進行したときの危険なサイン

肝機能障害の症状は、原因や重症度によって異なります。慢性の肝臓病では、働きが保たれている間は症状が乏しく、肝硬変が進むと下記のような症状が現れることがあります。ただし、急性肝炎などでも黄疸が出るため、症状だけで病期を判断することはできません[1],[2]。

初期症状(ほとんど無症状)

  • 全身の倦怠感、疲労感、食欲不振を感じることがありますが、ほとんどの場合は自覚症状がありません。
  • 健康診断の血液検査で初めて異常を指摘されるケースが大半です。

進行期の症状(肝硬変など)

  • 黄疸(おうだん):皮膚や白目が黄色くなる状態。体内のビリルビンという黄色い色素が増加することで起こります[2]。
  • 腹水・浮腫(ふしゅ):お腹や足に水が溜まって張ったり、むくんだりします[2]。
  • 肝性脳症:意識がもうろうとしたり、おかしな行動をとったりします。肝臓で解毒されるはずのアンモニアが脳に影響するためです[2]。
  • 手のひらが赤くなる(手掌紅斑)、胸にクモのような形の血管が浮き出る(クモ状血管腫)などの特徴的な見た目の変化が現れることもあります[2]。

むくみの原因や一緒に確認したい症状については、むくみのコラムで詳しく説明しています。

あなたの肝臓は大丈夫?肝機能障害を引き起こす5つの主な原因

肝機能障害の原因は一つではありません。主に以下の5つに分けられ、複数の原因が関わっていることもあります。

分類 概要 代表的な原因・疾患
ウイルス性 肝炎ウイルスの感染で肝細胞が壊れます。B型、C型が代表的です。 B型肝炎、C型肝炎など
アルコール性 長年の過度な飲酒で肝臓に脂肪が溜まり、炎症が進みます。 アルコール性脂肪肝、アルコール性肝炎
代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD) 肥満や糖尿病、高血圧、脂質異常などを背景に肝臓に脂肪が蓄積します。やせている方にも見られます[3]。 代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)など[3]
薬物性 医薬品やサプリメントが原因で肝障害を引き起こします。 アセトアミノフェン、抗生物質、健康食品など
自己免疫性 免疫の異常で、自身の肝細胞を攻撃してしまいます。中年以降の女性に多い傾向があります。 自己免疫性肝炎(AIH)、原発性胆汁性胆管炎(PBC)

以前はNAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)と呼ばれていた病気の多くは、現在はMASLD、MASHという名称で説明されます。飲酒の量や代謝の状態などを含めて分類するため、以前の名称と完全に同じ範囲ではありません。また、胆石などによる胆汁の流れの障害や、心不全で肝臓に血液がうっ滞することも、肝機能の数値が悪くなる原因になります[2],[3]。

健康診断で肝機能異常を指摘されたら?受診の目安

肝機能の異常を指摘された場合、どのように対応すればよいのでしょうか。緊急度別に解説します。

すぐに受診すべき症状

  • 体が黄色い(黄疸)
  • お腹が張って苦しい(腹水)
  • 意識がはっきりしない、行動がおかしい(肝性脳症の疑い)
  • 原因不明の急な体重減少

黄疸や急なお腹の張りは、肝臓や胆道の病気などが原因の可能性があるため、早めの受診が必要です。特に、意識がはっきりしない、呼びかけへの反応が悪い、吐血する、黒い便とともに冷汗やふらつきがある場合は、救急要請してください。原因不明の体重減少も、放置せず医療機関へ相談しましょう[2]。

まずは生活習慣を見直し、専門医に相談したいケース

  • 自覚症状はないが、健康診断でAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなどの数値を初めて指摘された。
  • 最近、疲れやすくなった、食欲がないなど、何となく体調が優れない。
  • お酒を飲む習慣があり、休肝日を設けていない。

このような場合は、まずはかかりつけ医や、当院のような内科クリニックにご相談ください。原因を特定するための詳しい検査を行い、今後の治療方針を一緒に考えていきましょう。

肝機能障害の検査と治療法

検査:原因と進行度を正確に把握

診断は、血液検査、腹部超音波(エコー)検査、CT検査などを組み合わせて行います。

  • 血液検査:肝臓のダメージを示す酵素(AST、ALT)に加え、アルブミンやビリルビン、血小板、血液の固まりやすさなどを調べます。B型・C型肝炎ウイルスの検査や、必要に応じて自己免疫の異常なども確認します。脂肪肝では、血液検査から肝臓の線維化(硬くなる変化)の可能性を見積もるFIB-4なども参考にします[1],[2],[3]。
  • 腹部超音波(エコー)検査:肝臓の形や大きさ、脂肪の蓄積(脂肪肝)、がんの有無などを確認する、体に負担のない検査です[1]。

当院では腹部超音波検査やCT検査に対応しています。まずは採血や腹部エコーで調べ、CTや専門的な検査が必要かを判断します。詳しい検査や肝臓専門医による治療が必要な場合は、連携する医療機関へご紹介します[1]。

治療:原因へのアプローチと生活習慣の改善が基本

治療の基本は、原因となっている病気の治療と、肝臓への負担を減らす生活習慣の改善です。

  • 原因疾患の治療:B型肝炎では、必要な方にウイルスの増殖を抑える薬を使い、多くの場合は長期に継続します。C型肝炎では、飲み薬によってウイルスを排除する治療を行い、一般に8〜12週間程度が目安です。肝硬変の有無や過去の治療歴などで薬と期間が変わるため、肝臓専門医が選択します[4],[5]。
  • 生活習慣の改善:アルコールが原因なら禁酒が、肥満を伴うMASLD(以前のNAFLDなど)では食事療法や運動療法による体重管理が重要です。やせている方や肝硬変がある方では、栄養不足を避けるため、食事量や体重の目標を個別に決めます[2],[3]。
  • 薬物療法:原発性胆汁性胆管炎(PBC)などでは、ウルソデオキシコール酸を使います。PBCの成人では通常1日600mgを3回に分けて内服し、検査結果を確認しながら長期に継続します。肝機能の数値が高い方全員に必要な薬ではなく、MASLDの標準治療として一律には使いません。薬剤やサプリメントが原因と考えられる場合は、医師と相談して原因となる薬を中止・変更します[3],[6]。

脂肪肝とともに確認したい血糖値の異常については、2型糖尿病のコラムで詳しく説明しています。

循環器専門医
院長 浦 祐次郎から一言
「お酒を減らしたのに、肝臓の数値が下がりません」。飲酒以外にも、脂肪肝や肝炎ウイルス、薬などが関係することがあります。原因に合った対策を考えるため、お酒の量や体重の変化、服薬の内容を診察で教えてください。

肝臓を守る生活習慣

  • 飲酒量を見直す:肝機能障害がある場合は、まず飲酒してよいかを医師に確認してください。アルコールが原因の肝障害では禁酒が基本です。厚生労働省の2024年の指針は、1日20gをすべての方への推奨量としているわけではありません。休肝日を設けても、ほかの日にまとめて飲めば負担は減りません[7]。
  • バランスの取れた食事:食べ過ぎや高脂肪食を避け、野菜や魚、大豆製品などをバランス良く摂ることが大切です[3]。
  • 適度な運動:ウォーキングなどの有酸素運動は、脂肪肝の改善に効果的です。まずは無理のない範囲で始めてみましょう[3]。
  • 定期的な健康診断:年に一度は健康診断を受け、肝機能の数値をチェックする習慣が、早期発見につながります。

肝機能障害と心臓・腎臓の関係

肝臓の病気は、心臓や腎臓の状態とも関わります。例えば、MASLDでは糖尿病や高血圧、脂質異常症などを合併することが多く、心血管疾患のリスクも確認します。一方、心不全によって肝臓に血液がうっ滞し、肝機能の数値が悪くなる場合もあります。当院では、循環器専門医の院長と腎臓内科医の副院長が連携し、必要に応じて全身の状態を確認します[2],[3]。

よくあるご質問

Q肝機能障害は治りますか?一生薬が必要ですか?

A

原因と進行度によります。飲酒や薬が原因なら、その見直しで改善することがあります。C型肝炎は治療でウイルスを排除できる場合が多い一方、B型肝炎などでは長期の治療や経過観察が必要になることがあります。自己判断で薬を中止せず、原因に合った治療を受けてください[4],[5]。

Q肝機能の数値が高くても運動してよいですか?

A

脂肪肝では、無理のない運動が治療に役立ちます。ただし、急性肝炎、強いだるさ、黄疸、進行した肝硬変などがある方は、運動の強さや量を主治医に確認してください。数値だけを見て、激しい運動を始めないようにしましょう[2],[3]。

Q食事やお酒で気をつけることはありますか?

A

食事の方針は、脂肪肝があるか、肝硬変まで進んでいるかなどで異なります。極端な食事制限や、肝臓によいとされるサプリメントの自己判断での使用は避けてください。飲酒が原因の場合は禁酒が基本です。ほかの肝臓病でも、飲酒を続けてよいか主治医に確認しましょう[2],[3],[7]。

Q検査は痛いですか?入院が必要ですか?

A

基本は採血と腹部エコーで、採血には針を刺す痛みがあります。エコーは通常痛みがなく、外来で行えます。詳しい検査や重症の肝障害の治療が必要な場合は、専門施設への紹介や入院を検討します[1],[2]。

福岡市で肝機能障害の診療なら|うらマイハートクリニックの特徴

うらマイハートクリニック(福岡市早良区藤崎・原)は、内科・循環器内科・腎臓内科・呼吸器内科を診療するクリニックです。

院長(浦 祐次郎)は、循環器専門医・総合内科専門医・心血管インターベンション治療学会認定医・TAVI実施医/指導医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士として、九州医療センターで13年間、小倉記念病院で1年半にわたり、重症心疾患の診療に従事してきました。副院長の浦 雅紀子は腎臓内科医として、福岡山王病院で約5年間、九州医療センターで6年間にわたり、心腎連関を踏まえた包括的な腎臓病診療に従事してきました。

現在はうらマイハートクリニックにて内科医2名体制で円滑な診療に努めています。

  • 院内の検査体制:BNPなど、当日結果がわかる血液検査、心臓エコー検査を含む各種エコー検査、CT検査(冠動脈CTを含む)に対応。
  • 通いやすい診療体制:診療開始は8時30分から、水曜は20時まで診療。駐車場11台完備。発熱症状のある方の専用入口あり。

健診で肝機能の異常を指摘された方、肝臓の数値や服用中のお薬が気になる方は、福岡市早良区のうらマイハートクリニックまでお気軽にご相談ください。

この症状でお悩みですか?

当院の専門外来では最適な治療プランをご提案しております。

参考文献

[1] 国立健康危機管理研究機構 肝炎情報センター. C型肝炎. 原文

[2] 日本消化器病学会・日本肝臓学会 編. 肝硬変診療ガイドライン2020(改訂第3版). 南江堂, 2020. 原文

[3] 日本消化器病学会・日本肝臓学会 編. MASLD診療ガイドライン2026(改訂第3版). 南江堂, 2026. 原文

[4] 日本肝臓学会. B型肝炎治療ガイドライン(第5版). 2026. 原文

[5] 日本肝臓学会. C型肝炎治療ガイドライン(第8.4版). 2025. 原文

[6] 医薬品医療機器総合機構(PMDA). ウルソ錠50mg/100mg. 原文

[7] 厚生労働省. 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン. 2024. 原文

浦 祐次郎

この記事の監修者:
うらマイハートクリニック院長 
浦 祐次郎

循環器専門医・総合内科専門医・TAVI実施医/指導医・心血管インターベンション治療学会認定医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士

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