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肋間神経痛

肋間神経痛の症状・原因・検査・治療|福岡市早良区

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はじめに:その胸の痛み、肋間神経痛かもしれません

「あばらがズキズキ痛む」「深呼吸すると背中が痛い」。肋間神経痛は、肋骨に沿って走る神経に生じる痛みです。胸や背中の痛みは、心臓や肺などの病気でも起こるため、原因を確かめることが大切です。

この記事では、肋間神経痛の具体的な症状から、危険な胸の痛みを疑う目安、原因、検査、治療法までを解説します。痛む場所や、深呼吸・体の動きとの関係を受診時に伝えると、原因を調べる手がかりになります。

【この記事の要点】

  • 肋間神経痛は、肋骨に沿って走る神経の痛みを指します。片側の胸や背中に、ピリピリ、チクチクする痛みが出ることがあります。
  • 帯状疱疹、背骨や肋骨の病気などが原因になることがあります。痛みの特徴だけで原因を決めつけず、診察で確認することが大切です。
  • 胸の痛みに冷汗や強い息苦しさを伴う、失神する場合は救急要請してください。心臓や肺などの緊急の病気を確認する必要があります。
  • 問診・診察と必要な検査で原因を調べ、原因の治療と痛みを和らげる治療を行います。長引く痛みでは専門診療科への相談も検討します。

この記事を書いた医師

うらマイハートクリニック院長 浦 祐次郎

(循環器専門医・総合内科専門医・TAVI実施医/指導医・心血管インターベンション治療学会認定医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士)

循環器専門医
院長 浦 祐次郎から一言
「押すと痛いので、心臓の病気ではないですよね」。押して痛むことは原因を考える手がかりですが、それだけでは判断できません。「歩くと痛む」「息苦しさもある」など、ほかに気づいたことも教えてください。痛みの始まり方や診察の結果を合わせ、必要な検査を選びます。

肋間神経痛とは?あなたの症状をチェック

「肋間神経痛」は、肋骨に沿った神経の痛みを表す呼び方です。肋骨(あばら骨)に沿って走る神経を「肋間神経」と呼びますが、この神経が刺激されたり傷ついたりすることで、胸や脇腹、背中などに痛みが出ます。背景にある原因は一つではありません[1]。

以下のチェックリストに当てはまるものがないか、確認してみましょう。

  • 体の片側(右か左のどちらか)だけが痛む
  • 痛む場所が肋骨に沿っていて、指で示すことができる
  • 「電気が走るような」「ズキズキ」「チクチク」といった鋭い痛みがある
  • 深呼吸、咳、くしゃみ、体をひねる動作で痛みが強まる
  • 痛みは一瞬で治まることもあれば、ジクジクと続くこともある

それ、本当に肋間神経痛?危険な胸の痛みとの違い

胸の痛みを自覚したとき、「心臓の病気では?」と不安になる方もいるでしょう。肋間神経痛と、心筋梗塞や大動脈解離、肺血栓塞栓症、気胸などは、痛み方だけで区別できません。以下の表は一般的な傾向を示したもので、自分で病気を見分けるための表ではありません[2]。

特徴 肋間神経痛 危険な胸の痛み(心筋梗塞など)
痛みの場所 肋骨に沿って線状、指で場所を特定しやすい 胸の中央や左側など広範囲、漠然としている
痛みの性質 チクチク、ズキズキ、ピリピリといった鋭い痛み 締め付けられる、圧迫されるような重苦しい痛み
関連する症状 痛み、しびれなど(原因によっては発疹も伴う) 冷や汗、吐き気、呼吸困難、肩や顎への放散痛
動作との関連 体を動かしたり深呼吸したりすると痛みが強まる 運動時に出ることも、安静時に続くこともある

冷や汗や強い息苦しさを伴う胸の痛み、突然の激しい胸・背中の痛み、気を失いそうになる症状がある場合は、救急要請してください。指で痛む場所を示せる、押すと痛い、体を動かすと痛いという特徴があっても、心臓や肺の病気がないとは言い切れません。胸の痛みの受診目安は、胸の痛みのコラムでも説明しています[2],[3]。

なぜ痛む?肋間神経痛の主な原因

肋間神経痛を引き起こす原因は多岐にわたります。主なものをいくつかご紹介します。

原因1:帯状疱疹(たいじょうほうしん)

肋間神経痛の最も一般的な原因の一つです。過去に感染した水ぼうそうのウイルスが体内に潜伏し、加齢やストレスで免疫力が低下した際に再活性化して発症します。特徴は、痛みが数日から1週間ほど続いた後に、神経に沿って帯状に赤い発疹や水ぶくれが出現することです。 帯状疱疹の詳しい症状と治療は、帯状疱疹のコラムをご覧ください[4]。

原因2:姿勢の悪さや筋肉の緊張

長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、猫背などで、背中や胸の筋肉に負担がかかり、胸まわりの痛みにつながることがあります。ただし、こうした痛みがすべて肋間神経の圧迫によるとは限りません。診察では、筋肉・関節の痛みと神経の痛みを区別して考えます。

原因3:背骨や肋骨の病気

加齢による変形性脊椎症、胸椎椎間板ヘルニア、胸椎の圧迫骨折、肋骨の骨折などが原因で神経が圧迫され、痛みを引き起こすことがあります[1]。

原因4:原因不明(特発性)

検査をしても、はっきりした原因が見つからないことがあります。特発性肋間神経痛と呼ばれますが、ストレスがあるという理由だけで診断するものではありません。痛み方が変わる、新しい症状が加わる場合は、再度診察を受けてください[1]。

肋間神経痛は何科を受診すべき?

いざ受診しようと思っても、何科に行けばよいか迷うかもしれません。症状に応じて適切な診療科を選びましょう。

  • まずは「総合内科」や「整形外科」へ:胸の痛みが心臓や肺などの内臓疾患から来ていないか、あるいは骨や筋肉の問題でないかを総合的に判断してもらうために、まずはこれらの科を受診するのが一般的です。
  • 皮膚に発疹があれば「皮膚科」へ:痛みの後に発疹が出てきた場合は、帯状疱疹の可能性が高いため、速やかに皮膚科を受診しましょう。

うらマイハートクリニックでは、内科・循環器内科の立場から胸の痛みを診察します。緊急性のある病気が疑われる場合は、救急対応のできる医療機関へ速やかにつなぎます。

うらマイハートクリニックで行う検査と診断

当院では、患者さんの症状を丁寧に伺い、診察と必要な検査を組み合わせて、痛みの原因を調べます。検査は症状に応じて選び、すべてを一律に行うわけではありません。

1. 丁寧な問診と身体診察

いつから、どこが、どのように痛むのか、どんな時に痛みが強まるかなどを詳しくお聞きし、痛みの原因を探ります。肋骨に沿って押すと痛む場所(圧痛点)があるかどうかも重要な所見です。

2. 危険な病気を見逃さないための各種検査

  • 心電図・心臓エコー検査・血液検査:心臓の病気が疑われる場合に行います。心筋梗塞が疑われるときは心筋トロポニンなどの評価が必要で、BNPは主に心不全の評価に使います。心電図やBNPだけで心筋梗塞を否定することはできません。緊急性があれば、院内検査の結果を待たずに救急対応へつなぎます[2]。
  • 胸部X線(レントゲン):肺炎や気胸、肋骨の病気などを調べるために行います。胸部X線だけでは分からない病気もあるため、症状によっては追加の検査が必要です。
  • CT検査など:胸部X線で異常が疑われる場合などに、必要に応じて実施します。背骨や神経の病気が疑われる場合は、整形外科でMRIなどを行うこともあります。大動脈の病気など緊急性がある場合は、救急対応のできる医療機関で検査・治療を受けます[2]。

肋間神経痛の治し方|原因と痛みに合わせた治療

治療は、原因となっている病気があればその治療を優先し、同時に痛みそのものを和らげる対症療法を行います[1]。

薬物療法

痛みの種類や強さに応じて、以下のような薬を使い分けます。

薬剤の種類 主な目的・特徴
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) 筋肉や関節の炎症を伴う痛みに、ロキソプロフェンなどを短期間使うことがあります。成人の通常用量の例は1回60mg、1日3回ですが、持病や痛みの程度に応じて調整します。神経そのものの痛みには十分に効かないこともあります。胃腸や腎臓への影響があるため、症状を確認しながら必要な期間にとどめます[5]。
神経障害性疼痛治療薬 神経の痛みが続く場合に、プレガバリンなどを検討します。腎機能に問題のない成人では、通常1回75mgを1日2回から始めますが、高齢の方や腎機能が低下した方などは量を調整します。眠気、ふらつき、むくみに注意し、効果と副作用をみながら服用期間を決めます。中止するときは少なくとも1週間以上かけて減らすため、自己判断で急にやめないでください[1],[6]。
抗ウイルス薬 帯状疱疹が原因の場合は、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬を早めに使います。通常の内服期間は7日間ですが、重症度や腎機能に合わせて薬を選びます。皮膚が治った後に残る神経痛には、痛みの治療が必要です[4]。
外用薬(湿布・塗り薬) 筋肉や関節の痛みに使うことがあります。神経そのものの痛みへの効果には限界があり、帯状疱疹の発疹や水ぶくれの上には湿布を貼らないでください。外用薬でも、かぶれなどが起こることがあります[4]。

特に、腎機能が低下している方やご高齢の方では、鎮痛薬の選択と量の調整に注意が必要です。当院では、腎臓内科医(浦 雅紀子 副院長)とも連携し、持病や服用中の薬を確認して治療を選びます。

鎮痛薬などによる腎臓への影響については、薬剤性腎障害のコラムで詳しく説明しています。

神経ブロック注射

薬だけでは痛みが十分に和らがない場合、ペインクリニックなどで、神経の周りに局所麻酔薬を注射する「神経ブロック」を検討することがあります。原因や体の状態によって向き不向きがあるため、必要に応じて専門の医療機関をご紹介します[1]。

循環器専門医
院長 浦 祐次郎から一言
「検査で異常はないと言われたのに、寝返りのたびに痛むんです」。痛みで眠れない、着替えがつらいといったことも、診察で伝えてください。検査の結果と生活への影響を踏まえ、薬の調整や整形外科・ペインクリニックへの相談を考えます。

リハビリテーション

筋肉や関節への負担が関係している場合は、姿勢や体の使い方を見直し、痛みを増やさない範囲でストレッチなどを行います。背骨や肋骨の病気がある場合は、整形外科などで運動の内容を確認します[1]。

今日からできる!肋間神経痛の予防とセルフケア

薬や治療だけでなく、日々の生活習慣を見直すことも、痛みの予防や緩和につながります。

  • 姿勢を意識する:長時間の同じ姿勢を避け、デスクワークの合間には立ち上がってストレッチをしましょう。
  • 温めると楽になる場合もありますが、発疹、発熱、けがの直後などは原因に合わせた対処が必要です。痛む場所を無理に温めたり、強く揉んだりせず、受診時に相談してください。
  • 適度な運動:原因を確認したうえで、ウォーキングやストレッチを痛みが増えない範囲で行いましょう。運動で胸の痛みが出る場合は、中止して受診してください。
  • ストレスを溜めない:十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけ、自分なりのリラックス法を見つけましょう。

肋間神経痛のよくある質問

Q治りますか?薬は一生必要ですか?

A

原因によって経過は異なります。筋肉や関節への負担が関係する痛みは、負担を減らすことで改善する場合があります。一方、帯状疱疹後の神経痛などは治療が長く続くこともあります。薬を一生飲むことが決まっているわけではなく、痛みと副作用をみながら減量や終了を相談します[1],[4],[6]。

Q検査は痛いですか?入院が必要ですか?

A

心電図、心臓エコー検査、胸部X線などは、通常、強い痛みを伴う検査ではありません。採血には針を刺す痛みがあります。肋間神経痛そのものは外来で診療することが多いですが、心臓・肺・大動脈の病気が疑われる場合は、救急受診や入院が必要になることがあります[2]。

Q食事や家族歴で気をつけることはありますか?

A

肋間神経痛だけを理由に、特別な食事制限は必要ありません。原因が一つではないため、家族に同じ痛みがあるだけで遺伝する病気とは判断できません。持病の食事指導を守り、家族歴も含めて受診時にお伝えください。

Qどの症状なら救急要請が必要ですか?

A

冷や汗、強い息苦しさ、吐き気などを伴う胸の痛み、突然の激しい胸・背中の痛み、意識が遠のく症状がある場合は、救急要請してください。「神経痛だと思う」と決めつけず、急いで診察を受ける必要があります[2],[3]。

まとめ:長引くあばらの痛みは放置せず、専門医にご相談ください

痛みが続く場合は、原因を調べ、痛みの種類に合う治療を受けましょう。胸の痛みには心臓や肺などの病気もあるため、「いつもの神経痛」と決めつけずに診察で確認することが大切です。

福岡市で肋間神経痛・胸の痛みの診療なら|うらマイハートクリニックの特徴

うらマイハートクリニック(福岡市早良区藤崎・原)は、内科・循環器内科・腎臓内科・呼吸器内科を診療するクリニックです。

院長(浦 祐次郎)は、循環器専門医・総合内科専門医・心血管インターベンション治療学会認定医・TAVI実施医/指導医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士として、九州医療センターで13年間、小倉記念病院で1年半にわたり、重症心疾患の診療に従事してきました。副院長の浦 雅紀子は腎臓内科医として、福岡山王病院で約5年間、九州医療センターで6年間にわたり、心腎連関を踏まえた包括的な腎臓病診療に従事してきました。

現在はうらマイハートクリニックにて内科医2名体制で円滑な診療に努めています。

  • 院内の検査体制:BNPなど、当日結果がわかる血液検査、心臓エコー検査を含む各種エコー検査、CT検査(冠動脈CTを含む)に対応。
  • 通いやすい診療体制:診療開始は8時30分から、水曜は20時まで診療。駐車場11台完備。発熱症状のある方の専用入口あり。

胸やあばらに沿う痛みが続く方、肋間神経痛といわれても症状が改善しない方は、福岡市早良区のうらマイハートクリニックまでお気軽にご相談ください。

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参考文献

[1] 日本ペインクリニック学会(編). 神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン 改訂第2版. 真興交易医書出版部. 2016. 原文

[2] 日本循環器学会ほか. 急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版). 原文

[3] 総務省消防庁. 救急車利用マニュアル. 原文

[4] 帯状疱疹診療ガイドライン策定委員会. 帯状疱疹診療ガイドライン2025. 日本皮膚科学会雑誌. 2025;135(3):527-556. 原文

[5] 医薬品医療機器総合機構(PMDA). ロキソニン錠60mg/ロキソニン細粒10%. 原文

[6] 医薬品医療機器総合機構(PMDA). リリカカプセル/リリカOD錠. 原文

浦 祐次郎

この記事の監修者:
うらマイハートクリニック院長 
浦 祐次郎

循環器専門医・総合内科専門医・TAVI実施医/指導医・心血管インターベンション治療学会認定医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士

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