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風邪(急性上気道感染症)

風邪(急性上気道感染症)の症状・原因・検査・治療を解説|福岡市早良区

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のどの違和感、鼻水、咳、だるさ。「風邪かな」と思ったときに大切なのは、つらい症状を和らげて休むことと、普段の風邪とは違う変化に気づくことです。多くの風邪は自然に回復し、抗菌薬は必要ありません。ここでは成人の風邪について、受診の目安、市販薬、長引く咳への対応を説明します。

「熱がないので出勤してもよい?」「市販薬を追加しても大丈夫?」など、身近な病気でも迷うことはあります。症状の強さや持病に合わせて、自宅で休めるか、受診が必要かを考えましょう。

【この記事の要点】

  • 風邪は主にウイルスによる上気道の感染症で、鼻水・のどの痛み・咳などが現れ、多くは自然に回復します。
  • 休養と無理のない水分補給が基本です。薬はつらい症状を和らげるために使い、成分の重複に注意します。
  • 一般的な風邪に抗菌薬は効きません。鼻水や痰が黄色・緑色というだけで、抗菌薬が必要とは判断できません。
  • 息苦しい、水分がとれない、いったん改善してから悪化した場合は、風邪と決めつけず受診しましょう。

この記事を書いた医師

うらマイハートクリニック院長 浦 祐次郎

(循環器専門医・総合内科専門医・TAVI実施医/指導医・心血管インターベンション治療学会認定医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士)

循環器専門医
院長 浦 祐次郎から一言
▶ 総合内科専門医(院長 浦祐次郎)からの一言 「いつもの風邪だから」と思っていても、息苦しさや水分のとりにくさがあるときはご相談ください。症状が始まった日や飲んだ市販薬を教えていただくと、必要な検査や薬を考えやすくなります。市販薬の箱や写真も役立ちます。

風邪の症状と経過 熱が出ないこともある

風邪では、鼻水・鼻づまり、のどの痛み、咳などが組み合わさって現れます。発熱やだるさを伴うこともありますが、熱が出ない場合もあります。多くは数日で症状が強い時期を過ぎ、1週間から10日ほどで改善に向かいます。鼻やのどの症状がよくなっても、咳は2〜3週間程度残ることがあります[1][2]。

一方、息苦しさ、強い胸痛、水分を飲み込めない状態、いったん改善した後の再悪化は、通常の経過から外れるサインです。「風邪は寝ていればよい」と決めつけず、医療機関へ相談してください。

黄色い鼻水や痰なら抗菌薬が必要か

鼻水や痰の色は、炎症に関わる細胞などによって変化します。黄色や緑色というだけでは細菌感染とは判断できず、それだけを理由に抗菌薬を使うことはありません。症状の経過、診察、必要な検査で判断します[1][2]。

インフルエンザや新型コロナとの違い

症状が重なるため、熱の高さや鼻水の有無だけでは区別できません。周囲の流行や接触歴、発症からの時間、重症化リスクを踏まえて検査を検討します。高齢の方、持病がある方、免疫を抑える治療中の方などは、早めの治療が必要になることもあるため、軽い症状でも相談してください。

風邪の原因 潜伏期間とうつり方

一般に風邪は、ライノウイルスなどによるウイルス性の上気道感染症を指します。冷えや疲れだけで起こる病気ではありません。ウイルスは飛沫、空気中の細かな粒子、汚染された手などを介して広がります。潜伏期間は原因ウイルスによって違い、1〜3日程度のものもありますが、すべての風邪に共通する日数はありません[1][2]。

発症前後から人にうつる可能性があります。症状のある間は手洗い、換気、咳エチケットを心がけ、人と近距離で接する際はマスクを活用します。「熱がないからうつらない」とは限りません。

風邪の引き始めにできること

休養と水分をとる

睡眠を確保し、発熱やだるさがある間は無理をしないようにします。水分は飲める範囲で少しずつ補給しましょう。心不全や腎臓病で水分制限を指示されている方は、むやみに飲水量を増やさず相談してください。汗をかくために厚着をしたり、サウナや激しい運動をしたりする必要はありません。

食事は食べやすさを優先する

のどが痛いときは、刺激が少なく飲み込みやすい食事を選びます。食欲が落ちたら少量ずつとり、回復に合わせて普段の食事へ戻しましょう。特定の食品や大量のビタミンで風邪が確実に早く治るわけではありません。飲酒や喫煙は控えてください。

のどや鼻の不快感を和らげる

飲みやすい温度の飲み物や、乾燥しすぎない室内環境は、のどの不快感を和らげる助けになります。加湿器は清潔に管理し、加湿しすぎによるカビにも注意します。うがいだけで感染を確実に防げるわけではありません。

風邪薬と市販薬は症状を和らげるために使う

風邪薬は、一般的な風邪の原因ウイルスをなくす薬ではありません。熱や痛みで休めないときなど、困っている症状に合わせて必要な薬を選びます。薬をたくさん飲むほど早く治るわけではありません[1][2]。

症状 使う薬の例 知っておきたいこと
発熱やのどの痛み アセトアミノフェン 商品名例 カロナール 成人の急性上気道炎に対する電子添文の用量は1回300〜500mgの頓用。原則1日2回まで、1日最大1500mg。空腹時は避けることが望ましいとされています。肝臓病や飲酒習慣などで調整します[3]。
つらい咳 デキストロメトルファン 商品名例 メジコン 症状に応じて短期間使用します。眠気や併用薬に注意し、痰が多い場合や咳が続く場合は原因を確認します。
切れにくい痰 カルボシステイン 商品名例 ムコダイン/アンブロキソール 商品名例 ムコソルバン 痰を出しやすくする目的で使うことがあります。すべての風邪で必要というわけではありません。

この用量は処方薬の成人・急性上気道炎に対する例です。市販薬は製品ごとの表示に従ってください。アセトアミノフェンは、ほかの病気の鎮痛で使う用量を、そのまま風邪に当てはめないことが大切です。総合感冒薬と解熱鎮痛薬の重複服用で過量になることがあるため、成分を確認します[3]。

市販薬を選ぶときは、持病、妊娠・授乳、服用中の薬を薬剤師に伝えてください。眠気を起こす成分を含む薬では運転を避けます。腎臓病、胃潰瘍、心不全、鎮痛薬で起こる喘息などがある方は、ロキソプロフェンなどの解熱鎮痛薬を自己判断で使わないようにしましょう。

漢方薬なら安全か

葛根湯などにも副作用や飲み合わせがあります。甘草を含む薬の重複による低カリウム血症、麻黄を含む薬による動悸などに注意が必要です。高血圧や心臓病のある方を含め、体質や持病に合うかを相談してください。

風邪に抗菌薬を使わない理由

抗菌薬は細菌に作用する薬で、一般的な風邪のウイルスには効きません。副作用や耐性菌の問題もあるため、予防目的で飲むことは勧められません。肺炎、溶連菌による咽頭炎など、抗菌薬が必要な別の病気が見つかった場合に使用します。余った抗菌薬を飲んだり、人の薬を分けてもらったりしないでください[1]。

循環器専門医
院長 浦 祐次郎から一言
▶ 総合内科専門医(院長 浦祐次郎)からの一言 「早く治したいので抗菌薬がほしい」と思うこともあるかもしれません。一般的な風邪には効かないため、休めないほどの痛みや咳など、今いちばん困っている症状への対処を考えます。改善しない場合の再診時期もお伝えします。

検査が必要になるのはどんなとき

まず症状の経過と体温、呼吸状態、のど・胸の所見などを確認します。発症早期の典型的な軽い風邪では、採血や胸部X線、CTを全員に行う必要はありません。インフルエンザや新型コロナの検査も、発症時期と結果が治療にどう役立つかを考えて選びます。早い時期の陰性で完全に否定できないこともあります。

息苦しさ、胸痛、酸素の低下、持続する発熱などがあれば、肺炎などを調べるため胸部X線や採血を検討します。咳が長引く場合には、症状に合わせて呼吸機能検査やFeNOなどを追加します。FeNOは喘息などに関連する気道の炎症を評価する補助検査です。

風邪のあとに咳だけ残る場合

感染後に気道が敏感になり、咳が3〜8週間ほど続く「感染後咳嗽」があります。ただし、風邪のあとに残る咳をすべてこの病気と判断することはできません。百日咳、咳喘息、喘息、鼻の病気、胃酸逆流、服薬など、ほかの原因も確認します[4]。

感染後咳嗽は自然に改善することが多く、全員に吸入ステロイドや漢方薬が必要という根拠はありません。喘息や咳喘息と診断された場合には、その病気に対する吸入治療を行います。咳が3週間以上続く、眠れない、市販薬を続けても改善しない場合は相談し、8週間以上続く場合は慢性咳嗽として原因を評価します。悪化や血痰があれば期間を待たず受診してください[4]。

風邪と決めつけず受診したいサイン

息切れ、胸痛、強い動悸、横になると苦しい、足がむくむなどの症状は、肺の病気に加えて心筋炎や心不全などで起こることもあります。また、赤褐色の尿や尿量の減少、むくみがあれば、腎臓の異常を含めて確認が必要です。これらがあれば早めに相談しましょう。

風邪が長引くときに見逃したくない病気

多くの風邪は自然に改善します。ただし、発熱や強いだるさが続く、いったんよくなった後に胸や尿の症状が出る場合は、まれに別の病気が隠れていることがあります。

感染性心内膜炎

細菌などが血液に入り、心臓の弁などに感染する病気です。発熱や強いだるさが何日も続き、息切れや動悸を伴うことがあります。人工弁、弁膜症、ペースメーカーなどがある方は特に注意が必要です。詳しくは「感染性心内膜炎」のコラムをご覧ください[6]。

心筋炎

ウイルス感染などをきっかけに、心臓の筋肉に炎症が起こる病気です。風邪の症状から数日〜数週間後に、胸の痛み、息苦しさ、動悸、失神などが現れることがあります。詳しくは「心筋炎」のコラムをご覧ください[7]。

溶連菌感染後急性糸球体腎炎

溶連菌によるのどの感染が治ってから10日前後に、腎臓に炎症が起こる病気です。コーラ色や褐色の尿、尿量の減少、顔や足のむくみ、血圧の上昇などがみられます。詳しくは「慢性糸球体腎炎」のコラム内にある「溶連菌感染後急性糸球体腎炎との違い」をご覧ください[8]。

強い胸痛、安静にしていても苦しいほどの息切れ、失神、尿がほとんど出ない、急にむくみが強くなった場合は、受診を先延ばしにしないでください。

よくある質問

Q風邪は治りますか 一生薬が必要ですか

A

一般的な風邪は自然に回復し、一生薬を飲む必要はありません。症状を和らげる薬は必要な期間だけ使います。長く続く、いったんよくなったのに悪化する場合は、別の原因がないか確認します。

Q運動や入浴はしてもよいですか

A

発熱、強いだるさ、息苦しさがあるときは運動を休みます。回復後に軽い運動から再開しましょう。入浴は体調がよく脱水がなければ短時間で構いませんが、高熱やふらつきがある間は控えます。感染を広げる可能性がある間はジムや共同浴場の利用も控えましょう。

Q食事で気をつけることはありますか

A

特定の食品で風邪を治すことはできません。のどが痛いときは、おかゆやスープなど食べやすいものを少量ずつとり、飲酒は控えましょう。心不全や腎臓病で食事・水分の制限がある方は、その指示を守ってください。

Q家族に風邪をひきやすい人がいます 遺伝でしょうか

A

風邪そのものが遺伝するのではありません。家族内での感染や生活環境の影響が考えられます。通常の風邪を繰り返すだけで遺伝子検査は行いませんが、重い感染症を頻繁に繰り返す場合は相談してください。

Q検査は痛いですか 入院が必要ですか

A

多くは問診と診察を中心に外来で対応します。鼻の検査は痛みや違和感があり、採血には針の痛みがあります。通常の風邪で入院することはありませんが、強い脱水や肺炎などがあれば入院治療が必要になる場合があります。

Qどんな症状なら救急車を呼びますか

A

息が苦しく会話できない、唇が青紫色、意識がはっきりしない、突然の強い胸痛がある場合は119番です。呼吸はできても、水分がほとんどとれない、尿が極端に少ない、急に悪化した場合は当日中に相談してください。

Qいま流行っている風邪は何ですか

A

流行する感染症は時期や地域で変わり、症状だけでは特定できません。福岡県の感染症情報では、インフルエンザ、新型コロナなどの週報を確認できます。周囲の流行を参考にしながら、症状と検査で判断します[5]。

福岡市で風邪・急性上気道感染症の診療なら|うらマイハートクリニックの特徴

うらマイハートクリニック(福岡市早良区藤崎・原)は、内科・循環器内科・腎臓内科・呼吸器内科を診療し、心臓リハビリテーションにも対応するクリニックです。

院長(浦 祐次郎)は、循環器専門医・総合内科専門医・心血管インターベンション治療学会認定医・TAVI実施医/指導医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士として、九州医療センターで13年間、小倉記念病院で1年半にわたり、重症心疾患の診療に従事してきました。副院長の浦 雅紀子は腎臓内科医として、福岡山王病院で約5年間、九州医療センターで6年間にわたり、心腎連関を踏まえた包括的な腎臓病診療に従事してきました。

現在はうらマイハートクリニックにて内科医2名体制で円滑な診療に努めています。

  • 院内での迅速な検査体制:BNPなど含む当日結果のわかる多様な血液検査、心臓を含む各種エコー検査、総合病院レベルの64列CT(冠動脈CT含む)に対応。
  • 治療後のサポート:心臓リハビリ施設「ReHeart Gym」で専門スタッフが体力回復・再発予防を支援。
  • 通いやすい診療体制:診療開始は8時30分から、水曜は20時まで診療。駐車場11台完備。発熱症状のある方の専用入口あり。

風邪の症状が長引く方、市販薬の使い方に迷う方、持病があり風邪への対応が心配な方は、福岡市早良区のうらマイハートクリニックまでお気軽にご相談ください。

この症状でお悩みですか?

当院の専門外来では最適な治療プランをご提案しております。

参考文献

[1] 厚生労働省 抗微生物薬適正使用の手引き 第四版 医科・外来編
[2] 日本プライマリ・ケア連合学会 かぜ ウイルス性上気道炎 2024
[3] PMDA カロナール錠 電子添文 2026年8月改訂
[4] Liang K, Hui P, Green S. Postinfectious cough in adults. CMAJ. 2024;196:E157. doi:10.1503/cmaj.231523
[5] 福岡県保健環境研究所 福岡県感染症情報 週報
[6] 日本循環器学会 2026年改訂版 感染性心内膜炎診療ガイドライン
[7] 日本循環器学会 2023年改訂版 心筋炎の診断・治療に関するガイドライン
[8] 日本腎臓学会 一般のみなさまへ 糸球体腎炎

浦 祐次郎

この記事の監修者:
うらマイハートクリニック院長 
浦 祐次郎

循環器専門医・総合内科専門医・TAVI実施医/指導医・心血管インターベンション治療学会認定医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士

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