深部静脈血栓症とは?原因・症状・検査・治療を循環器専門医が解説|福岡市早良区
「長時間座っていた後、片方の足だけパンパンに腫れて痛い」「ふくらはぎが赤紫色になり、熱っぽい感じがする」といった症状にお悩みではありませんか。これらの症状は、単なるむくみや筋肉痛ではなく、「深部静脈血栓症(DVT)」のサインかもしれません。
深部静脈血栓症(DVT)は、足の深い場所にある静脈に血栓(血の塊)ができる病気です。血栓が血流に乗って肺に到達すると、肺の血管を詰まらせる肺血栓塞栓症(PTE)を起こすことがあります。深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症は、まとめて静脈血栓塞栓症(VTE)と呼ばれます。長時間の移動をきっかけに静脈血栓塞栓症を発症した状態が、一般に「旅行者血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)」と呼ばれます[1][8]。
本記事では、深部静脈血栓症の基本的な知識から、見逃されやすい初期症状、原因、そして最新の治療法まで、循環器専門医の視点で詳しく解説します。
この記事の要点
- 深部静脈血栓症は、主に足の深い静脈に血の塊ができる病気で、肺に移動すると肺血栓塞栓症を起こすことがあります。
- 「片足だけ急に腫れた」「ふくらはぎが痛い」「左右で足の太さが違う」は、早めに受診したいサインです。
- 突然の息苦しさ・胸痛・失神がある場合は、足の症状がなくても119番で救急車を呼んでください。
- 診断には下肢静脈エコー、Dダイマー、必要に応じて造影CTを用います。治療は抗凝固薬が中心で、期間は原因や病状によって異なります。
この記事を書いた医師
うらマイハートクリニック 院長 浦 祐次郎
循環器専門医・総合内科専門医・TAVI実施医/指導医・心血管インターベンション治療学会認定医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士
循環器専門医院長 浦 祐次郎から一言▶ 循環器専門医(院長 浦祐次郎)の臨床コメント 私はこれまでの診療で、「いつものむくみだと思っていた」「筋肉痛だと思っていた」と自己判断したために治療が遅れ、足の血栓が肺の血管を詰まらせ、重篤な状態になった方を診療してきました。早期発見と早期治療が重要な病気です。
深部静脈血栓症とは?定義と足の静脈で起きていること
深部静脈血栓症とは、主に足や骨盤内の深いところを走行する静脈に血栓が形成される疾患です。静脈は、体の各部分から心臓へと血液を戻すための血管ですが、その流れが滞ったり、血液が固まりやすくなったり、血管の壁が傷ついたりすると、血栓ができてしまいます。
この血栓ができるメカニズムは、19世紀にドイツの病理学者ウィルヒョウが提唱した「ウィルヒョウの3徴」として知られています。
- 血流のうっ滞:長時間同じ姿勢でいること(長距離移動、デスクワーク、入院など)で、足の血流が滞ること。
- 血管内皮障害:手術や外傷、カテーテル留置などによって、血管の内側の壁(血管内皮)が傷つくこと。
- 血液凝固能の亢進:がん、脱水、経口避妊薬(ピル)の使用、遺伝的な要因などにより、血液が固まりやすくなること。
肺血栓塞栓症との関係
深部静脈血栓症では、足の静脈にできた血栓の一部が血流に乗り、心臓を経由して肺の動脈を詰まらせることがあります。これが肺血栓塞栓症です[1]。
肺の血管が詰まると、酸素を十分に取り込めなくなり、突然の呼吸困難や胸痛を生じます。重症の場合は、意識を失ったり心停止に至ったりすることもあります。深部静脈血栓症の治療では、肺血栓塞栓症を防ぐことが重要です。
深部静脈血栓症の症状|片足の腫れや痛みは危険なサイン
深部静脈血栓症の症状は、血栓ができた場所や大きさによって様々ですが、多くは片側の足に現れます。全く症状がない場合も少なくありません。
見た目や痛みだけでは、筋肉痛やほかの原因によるむくみと区別できません。片足だけの急な腫れや痛みがある場合は、できるだけ当日中に受診してください。
主な下肢の症状(見逃されやすいサイン)
以下のような症状が片方の足に急に現れた場合は、深部静脈血栓症を疑う必要があります。
| 症状 | 具体的な自覚 | なぜ起こるのか |
|---|---|---|
| 腫れ・むくみ | 片方のふくらはぎや太ももがパンパンに腫れる。左右の足の太さが明らかに違う。 | 血栓によって静脈の血流がせき止められ、足に血液や水分が溜まるため。 |
| 痛み | ふくらはぎを握られたような痛み、歩行時の痛み。押すと痛む(圧痛)。 | 血栓による炎症や、組織の腫れによって神経が圧迫されるため。 |
| 皮膚の色の変化 | 皮膚が赤紫色になる。 | 静脈の血流が滞り、うっ血や炎症が起こるため。 |
| 熱感 | 患部が熱っぽく感じる。 | 血栓による炎症反応のため。 |
肺血栓塞栓症の症状|こんな症状は緊急受診を
足の症状の有無にかかわらず、突然の強い息苦しさ、胸痛、失神、血痰などがある場合は、肺血栓塞栓症の可能性があります。自分で運転せず、すぐに救急要請してください[3][5]。
| 症状 | 具体的な状態 |
|---|---|
| 突然の呼吸困難 | 今まで経験したことのないような、急な息切れ。 |
| 胸の痛み | 深呼吸や咳をすると強まる、鋭い胸の痛み。 |
| 失神・めまい | 血圧が急激に低下し、意識を失う、または気が遠くなる感じがする。 |
| 動悸 | 心臓がドキドキと速く、または不規則に打つ感じ。 |
| 血痰 | 咳とともに血の混じった痰が出る。 |
深部静脈血栓症の原因|なりやすい人・状況と生活習慣
深部静脈血栓症は、先に述べた「ウィルヒョウの3徴」を引き起こす様々な要因が重なることで発症します。どのような人や状況でリスクが高まるのかを知っておくことが予防の第一歩です。
主な原因とリスク因子
| リスク因子 | なぜリスクが高まるのか |
|---|---|
| 長期臥床・手術後 | 長期間ベッドで安静にしていると、足の筋肉のポンプ作用が働かず、血流がうっ滞する。特に整形外科や腹部の大きな手術後はリスクが高い。 |
| 旅行者血栓症(エコノミークラス症候群) | 飛行機、電車、車などで長時間座ったままでいると、膝が曲がった状態で圧迫され、血流が著しく滞る。 |
| 悪性腫瘍(がん) | がん細胞が血液を固まりやすくする物質を放出するため、血栓のリスクが著しく上昇する。膵臓がん、肺がん、卵巣がんなどで特に多い。 |
| 妊娠・産後 | 妊娠中はホルモンの影響で血液が固まりやすくなる。また、大きくなった子宮が骨盤内の静脈を圧迫し、血流が滞りやすくなる。 |
| 経口避妊薬(ピル)・ホルモン補充療法 | 女性ホルモン(エストロゲン)には、血液凝固因子を増加させる作用があるため、血栓のリスクを高める。 |
| 加齢 | 年齢とともに活動量が低下しやすく、がんや心不全などの病気も増えるため、血栓症のリスクが高くなる。 |
| 肥満 | 脂肪組織が静脈を圧迫したり、慢性的な炎症状態が血液を固まりやすくしたりする。 |
| 喫煙 | 喫煙は血管を傷つけ、ほかの要因と重なることで血栓症のリスクを高める可能性がある。 |
| 遺伝性血栓性素因 | 生まれつき血液が固まりやすい体質(プロテインC欠乏症、プロテインS欠乏症、アンチトロンビン欠乏症など)を持つ人。 |
血栓ができやすい体質(血栓性素因)について
深部静脈血栓症の背景に、生まれつき、または後天的に血液が固まりやすい体質(血栓性素因)が隠れていることがあります。ただし、すべての患者さんに検査が必要なわけではありません。若年での発症、再発、家族歴、まれな部位の血栓、抗リン脂質抗体症候群が疑われる場合などに、検査結果が治療方針に影響するかを考えて選択的に検査します[1][6]。
日本人でみられる先天性血栓性素因
欧米人に多い第V因子Leiden変異やプロトロンビンG20210A変異は、日本人ではほとんどみられません。一方、日本人ではプロテインS欠乏症など、血液が固まりすぎないように働くタンパク質の異常が比較的重要です[1][7]。
代表的なものに、プロテインS欠乏症、プロテインC欠乏症、アンチトロンビン欠乏症があります。ただし、これらの体質があるだけで必ず血栓症を発症するわけではありません。先天性血栓性素因による反復性の血栓症の一部は、指定難病の対象となります。
妊娠・出産、経口避妊薬(ピル)、手術、長期臥床、肥満などの要因が重なると、血栓症を発症しやすくなることがあります。
後天性血栓素因
生まれつきではなく、病気などによって血液が固まりやすくなる場合もあります。代表的な抗リン脂質抗体症候群(APS)は、男女を問わず動脈や静脈の血栓症を起こすことがあり、女性では習慣流産の原因になることもあります。悪性腫瘍(がん)やネフローゼ症候群、入院を要する重い感染症なども血栓症のリスクを高めます[1]。
深部静脈血栓症の分類|中枢型・末梢型と時間経過
診療上は、血栓の位置によって「中枢型(近位型)」と「末梢型(遠位型)」に分けます。中枢型は膝の裏にある膝窩静脈を含め、それより心臓側、末梢型はそれより足先側にある血栓で、肺血栓塞栓症の危険性や治療方針が異なります。また、発症からの時間経過により、急性期と慢性期に分けて考えます[1]。
| 時期 | 主な状態 | 特徴 |
|---|---|---|
| 急性期 | 発症直後(約2週間以内) | 足の腫れや痛みなどが急に現れる。血栓が肺に移動して肺血栓塞栓症を起こす可能性に注意が必要な時期。 |
| 慢性期 | 発症から数週間〜数ヶ月以降 | 血栓の残存や静脈弁の障害により、腫れやだるさなどが続くことがある。血栓後症候群を合併する場合がある。 |
深部静脈血栓症の後に、血栓が残ったり静脈の弁が傷んだりすると、血栓後症候群(PTS)を起こすことがあります。足のだるさ、重さ、腫れ、皮膚の色素沈着、湿疹、皮膚潰瘍などが続き、生活の質(QOL)に影響することがあります。急性期から適切に治療し、症状をみながら経過を確認することが大切です[1]。
深部静脈血栓症の検査・診断|下肢静脈エコー・Dダイマー・造影CT
深部静脈血栓症が疑われる場合、問診や身体診察に加え、いくつかの検査を組み合わせて診断を確定します。
診断の流れ
- 問診・身体診察:症状(いつから、どの部位に、どのような症状か)、リスク因子の有無などを詳しくお聞きします。足の腫れ、色調、圧痛などを診察します。
- 臨床的確率評価:Wellsスコアなどの評価ツールを用いて、症状やリスク因子から深部静脈血栓症の可能性がどの程度高いかを点数化します。
- 血液検査(Dダイマー):診察から深部静脈血栓症の可能性が低い、または中程度と判断された場合に、主に除外のために行います。
- 画像検査:深部静脈血栓症の可能性が高い場合や、可能性が低い・中程度でもDダイマーが陽性の場合に行います。中心となるのは下肢静脈エコー検査です[1]。
- 確定診断:上記の結果を総合的に判断し、診断を確定します。
主な検査
| 検査名 | 何がわかるか | 特徴 |
|---|---|---|
| 下肢静脈エコー(超音波)検査 | 静脈内の血栓の有無、性状、血流の状態を直接観察する。深部静脈血栓症の診断で最も重要な検査。 | 放射線被ばくがなく、体に負担をかけずに繰り返し行える。プローブで静脈を圧迫し、潰れないことで血栓の存在を診断する(圧迫法)。 |
| 血液検査(Dダイマー) | 体内で血栓が溶ける過程で生じる物質の量を測定する。血栓症のスクリーニング(除外診断)に有用。 | 診察で血栓症の可能性が低い、または中程度の場合、基準値以下であれば除外に役立つ。高齢、がん、炎症、妊娠、手術後などでも上昇するため、陽性だけでは診断できない。 |
| 造影CT検査 | 肺血栓塞栓症の合併が疑われる場合や、骨盤内などエコーで観察しにくい部位の血栓を評価するのに有用。 | 造影剤を使用して血管内の血栓を評価する。目的に応じて、肺動脈や骨盤内の静脈など必要な範囲を撮影する。 |
血液検査(Dダイマー)による迅速スクリーニング
深部静脈血栓症の診断において、血液検査で測定するDダイマーは非常に有用な指標です。Dダイマーは、体内で血栓が形成され、それが溶解される過程で生じる「フィブリン分解産物」です。血栓ができて分解されると、値が上昇することがあります。
Dダイマーは、診察で深部静脈血栓症の可能性が低い、または中程度と判断された場合に、血栓症を否定するために役立ちます。一方、可能性が高い場合は、Dダイマーが基準値以下でも下肢静脈エコーなどの画像検査を行います。また、Dダイマーは高齢、がん、炎症、妊娠、手術後などでも上昇するため、高値だけで深部静脈血栓症とは診断できません[1]。
当院ではDダイマーを院内で測定し、受診当日に結果をご説明できます。診察と検査結果を踏まえ、画像検査や治療が必要かを判断します。
造影CTによる精密検査
肺血栓塞栓症を疑う息切れや胸痛などがある場合や、骨盤内など下肢静脈エコーでは確認しにくい部位の血栓を評価する場合には、造影CT検査を検討します[1][3][5]。
腕の静脈から造影剤を注射してCT撮影を行い、肺動脈や骨盤内の静脈などを確認します。血栓の有無や広がりを評価し、入院や専門的治療が必要かを判断します。検査前には腎機能や造影剤アレルギーの有無を確認します。
当院には64列マルチスライスCTを導入しています。全身状態が安定している方では、必要に応じて院内で造影CTを行い、治療方針を検討できます。ただし、血圧低下、失神、強い呼吸困難など重症の肺血栓塞栓症が疑われる場合は、院内検査にこだわらず救急搬送を優先します。
深部静脈血栓症の治療|薬物療法からカテーテル治療まで
深部静脈血栓症の治療は、血栓が大きくなることや新たな血栓ができることを防ぎ、肺血栓塞栓症を予防することを主な目的とします。さらに、足の腫れや痛みなどを軽減し、慢性期の症状をできるだけ減らすことも大切です。治療の基本は、血液を固まりにくくする抗凝固療法です。
薬物療法(抗凝固療法)
治療の中心は、血液を固まりにくくする抗凝固療法です。多くの患者さんでは、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)が治療の中心となります[1][2]。ワルファリンと比べて食事の影響を受けにくく、プロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)による頻回の用量調整は原則として必要ありません。ただし、出血の確認に加え、血算、腎機能、肝機能などの定期的な検査は必要です。重い腎機能障害、妊娠、抗リン脂質抗体症候群などでは、ほかの抗凝固薬を選ぶ場合があります。
| 薬剤クラス | 代表的な薬剤名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 直接作用型経口抗凝固薬(DOAC) | リバーロキサバン(イグザレルト®)、アピキサバン(エリキュース®)、エドキサバン(リクシアナ®) | 多くの患者さんで治療の中心となる。食事の影響を受けにくく、PT-INRによる頻回の用量調整は原則不要。ただし、腎機能などの定期検査は必要。 |
| ワルファリン | ワルファリンカリウム(ワーファリン®) | 古くから使われている薬。納豆や青汁などビタミンKを多く含む食品の影響を受けるため、定期的な血液検査で用量を調整する。 |
| 未分画ヘパリン注射 | ヘパリン | 入院治療の初期など、速やかな効果が必要な場合に使用する。エドキサバンやワルファリンの開始前後に用いることがあるが、リバーロキサバンとアピキサバンは通常、ヘパリンを使わずに開始できる。 |
中枢型深部静脈血栓症では、出血などの問題がなければ少なくとも3か月の抗凝固療法を行います。手術や骨折など一時的な原因による場合は3か月を目安とすることが多い一方、原因が明らかでない場合、がんなどのリスクが続く場合、再発例などでは、再発リスクと出血リスクをみながら治療の継続を検討します。末梢型深部静脈血栓症は、すべての患者さんに抗凝固薬が必要とは限りません。症状、血栓の広がり、がん、再発歴などを踏まえ、超音波で経過をみる場合と抗凝固療法を行う場合があります[1][2]。
非薬物療法(弾性ストッキング)
医療用弾性ストッキングは、足の腫れや痛みを和らげる目的や、中枢型深部静脈血栓症後の血栓後症候群を予防する目的で検討します[1]。すべての患者さんに一律に必要なわけではありません。末梢動脈疾患、重い心不全、皮膚障害などがある場合は使用できないことがあるため、自己判断で購入せず、医師の診察を受けて適切なサイズと圧迫圧のものを選ぶことが大切です。
重症例の治療(カテーテル治療・下大静脈フィルター)
血栓の範囲が広く、足の静脈還流が著しく障害されて四肢への影響が懸念される場合や、重症の肺血栓塞栓症を合併した場合には、専門施設でより積極的な治療を検討します。
- カテーテル治療:発症早期の広範な腸骨大腿静脈血栓症で症状が強い場合や、四肢を守るために速やかな血流改善が必要な場合など、選ばれた患者さんで検討します。カテーテルを用いて血栓を吸引したり、血栓を溶かす薬を局所投与したりします[1][4]。
- 下大静脈フィルター:出血などのため抗凝固療法ができない場合や、適切な抗凝固療法中にも肺血栓塞栓症を繰り返す場合などに検討します。通常は一時的に使用し、必要がなくなれば早めに回収できるかを検討します[1][2]。
深部静脈血栓症の予防と再発防止|日常生活でできること
深部静脈血栓症は再発することがあり、その危険性は発症の原因や持病によって異なります。長時間同じ姿勢で過ごす場合などは、無理のない範囲で対策を行いましょう。
日常生活での注意点
- こまめな水分補給:脱水を避けるため、適度に水分を摂りましょう。ただし、心不全や腎臓病などで水分制限を指示されている方は、主治医の指示に従ってください。
- 長時間の同じ姿勢を避ける:飛行機やデスクワークでは、1〜2時間ごとに立ち上がって少し歩いたり、かかとの上げ下ろし運動をしたりして、ふくらはぎの筋肉を動かしましょう。
- 足首の運動:座ったままでも、つま先を伸ばしたり、手前に曲げたりする運動を繰り返すことで、血流を促進できます。
- 弾性ストッキングの着用:深部静脈血栓症の既往などリスクが高い方は、長時間の移動前に医師へ相談し、必要に応じて適切な弾性ストッキングを使用します。
- 適度な運動:ウォーキングなどの有酸素運動は、全身の血行を良くし、ふくらはぎの筋ポンプ機能を高めます。
- 禁煙:喫煙はさまざまな心血管疾患の原因となり、ほかの要因と重なることで血栓症のリスクも高める可能性があります。禁煙に取り組みましょう。
定期通院の重要性
抗凝固療法を終了した後も、再発リスクはゼロではありません。発症の原因や再発リスクに応じて診察や検査を受け、片足の腫れや痛みが再び現れた場合は早めに受診してください。
このような症状があればご相談ください
深部静脈血栓症は、早期にはむくみや筋肉痛と区別しにくいことがあります。治療が遅れると肺血栓塞栓症を起こす可能性があるため、片足だけの急な腫れや痛みがある場合は早めの受診が大切です。
受診の目安|早めの相談が大切なケース
以下のような症状に心当たりがある方は、深部静脈血栓症の可能性も考え、早めに循環器内科などの医療機関へご相談ください。
- 片方の足だけが急に腫れてきた、むくんできた
- 左右でふくらはぎの太さが明らかに違う
- 歩くとふくらはぎが痛む、または押すと痛い
- 足の皮膚が赤紫色っぽくなっている
- 経口避妊薬(ピル)を内服中で、足のむくみや違和感がある
「ただのむくみだろう」と自己判断せず、症状が続く場合や左右差がある場合は医師の診察を受けましょう。
よくある質問(FAQ)
治療によって血栓が小さくなり、症状が改善することが期待できます。ただし、血栓や静脈の障害が残り、むくみなどが続く場合もあります。全員が一生薬を飲むわけではありません。治療期間は、血栓の場所や原因、再発と出血のリスクによって決めます。中枢型深部静脈血栓症では、一般に少なくとも3か月の抗凝固療法を行います。末梢型では、血栓の広がりや症状などによって、抗凝固療法を行わず超音波で経過をみる場合もあります。原因が明らかでない場合、がんなどのリスクが続く場合、再発例では、より長い治療を検討します。妊娠に関連する場合は使用できる薬が限られるため、専門医が治療期間を個別に判断します。自己判断で薬を中止しないでください。
医療用弾性ストッキングは、足首の圧力が最も高く、上に向かうほど弱くなるように設計されています。ただし、すべての方に必要とは限らず、末梢動脈疾患、重い心不全、皮膚障害などがある場合は注意が必要です。医師に相談し、適切なサイズと圧迫圧を選んでください。
エストロゲンを含むピルなどは、深部静脈血栓症のリスクを高めることがあります。服用中に片足の突然の腫れや痛みなど、血栓症を疑う症状が現れた場合は、服用を中止して速やかに医療機関を受診し、薬の名前を伝えてください。突然の息苦しさ、胸痛、失神などがある場合は、119番で救急車を呼んでください。症状がない場合の継続や変更は、処方医と相談します[9]。
長時間座り続けず、1〜2時間ごとを目安に歩いたり、座席で足首やかかとを動かしたりしましょう。アルコールを控え、適度に水分を摂ることも大切です。深部静脈血栓症の既往、最近の手術、がん、妊娠などがある方は、旅行前に医師へ相談してください。必要に応じて弾性ストッキングなどを検討します。
適切な治療が始まり、全身状態や足の症状が安定していれば、医師の判断で歩行などを再開できます。全員に長期間の安静が必要なわけではありません。ただし、診断前の急な腫れや痛みを、運動で治そうとすることは避けてください。抗凝固薬の服用中は、転倒や衝突による出血にも注意します[1]。
特定の食品だけで血栓を溶かすことはできません。栄養の偏りを避け、脱水にならないようにしましょう。心不全や腎臓病などで水分制限がある方は、主治医の指示に従ってください。ワルファリンでは食品との相互作用があるため、食事の注意点を確認します。サプリメントも、使用前に医師や薬剤師へ相談してください。
下肢静脈エコーは通常、針を刺さずに行いますが、腫れた部分を押す際に痛むことがあります。採血や造影CTでは、針を刺す痛みがあります。状態が安定していれば外来で治療できる場合もありますが、肺血栓塞栓症の合併や足の症状、出血のリスクなどによっては入院が必要です[1]。
突然の息苦しさや胸痛、失神、意識がもうろうとする症状がある場合は、肺血栓塞栓症などの可能性があるため、119番で救急車を呼んでください。足の腫れや痛みがなくても起こることがあります。自分で車を運転して受診することは避けてください。
福岡市で深部静脈血栓症の診療なら|うらマイハートクリニックの特徴
うらマイハートクリニック(福岡市早良区藤崎・原)は、内科・循環器内科・腎臓内科・呼吸器内科を診療し、心臓リハビリテーションにも対応するクリニックです。
院長(浦 祐次郎)は、循環器専門医・総合内科専門医・心血管インターベンション治療学会認定医・TAVI実施医/指導医・SHD心エコー図認証医・心臓リハビリテーション指導士として、九州医療センターで13年間、小倉記念病院で1年半にわたり、重症心疾患の診療に従事してきました。副院長の浦 雅紀子は腎臓内科医として、福岡山王病院で約5年間、九州医療センターで6年間にわたり、心腎連関を踏まえた包括的な腎臓病診療に従事してきました。
現在はうらマイハートクリニックにて内科医2名体制で円滑な診療に努めています。
- 院内での迅速な検査体制:BNPなど含む当日結果のわかる多様な血液検査、心臓を含む各種エコー検査、総合病院レベルの64列CT(冠動脈CT含む)に対応。
- 治療後のサポート:心臓リハビリ施設「ReHeart Gym」で専門スタッフが体力回復・再発予防を支援。
- 通いやすい診療体制:診療開始は8時30分から、水曜は20時まで診療。駐車場11台完備。発熱症状のある方の専用入口あり。
片足の急な腫れや痛みなど、気になる症状がある方は、うらマイハートクリニックにお早めにご相談ください。
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